研究室日記

9月7日教師力アップセミナーでの学び(加藤奨基・安部)

公開日
2019/09/27
更新日
2019/09/27

学生の学び

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 こんにちは。4期生の加藤奨基と安部です。今回の教師力アップセミナーは道徳の授業でとても有名な山田貞二先生に来ていただきました。そこでの学びを書きたいと思います。

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 こんにちは、四期の加藤奨基です。九月七日に大口中学校にて、山田貞二先生による道徳授業をもとにした教師力アップセミナーに参加させていただいたので記事にしたいと思います。以前に、命の授業で山田先生の道徳は拝見していたのですが、その時とは全く異なる視点から道徳授業を見ることができました。

 今回のお話で特に印象的だった内容が、「道徳的諸価値への理解」という内容です。これは、道徳の授業には三つの要素があり、それらをうまく盛り込むことでより深い道徳授業につながる、ということです。要素は以下の三つです。
⑴価値理解
 「親切」「思いやり」など、道徳的諸価値そのものへの理解のことです。子どもたちには最もよく質問される事柄だと思います。授業前には辞書を引くなどして端的に答えられるようにしておきたいです。
⑵人間理解
 道徳教材の主発問の部分などによく見られる、人の弱さを理解することです。「自分でも〜の時は・・・しちゃうよね」という内容をよく聞きます。
⑶他者理解
 自分の道徳性が試される場面に出会った時、他の人ならどのように行動する(考える)のかを理解することです。前提として、道徳には「Aの場合にはBする」というような正解はなく、「Aの場合にはBする人もいればCする人もいる」というような個々人の道徳性を否定せず、それぞれの納得解を見つけるという考え方があります。この納得解をいくつも共有することが⑶の他者理解にあたります。

 山田先生は、⑶の他者理解が抜けてしまっている道徳授業が多いと仰っていました。子ども目線で考えてみると、道徳場面を自分事として捉え、「自分だったらこうするのにな」と考えることができたら、次は他の人の考えを聞いてみたくなると思います。また、同じ場面でも人によって行動・考えが異なる(=道徳性が異なる)ことが道徳の面白さだとも思います。決して自分の道徳性を相手に押し付けるようなことはいけませんが、子どもたちがそれぞれの道徳性をすり合わせて、最も良い納得解を見つけることができる道徳授業を行いたいと感じました。

 秋から大学で後期ゼミが始まるにあたり、今回の学びをもとにして、ぜひ道徳模擬授業を行いたいと思います。山田先生、教師力アップセミナー関係者の皆様、ありがとうございました。
(加藤)

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 こんにちは。4期生の安部です。私が山田貞二先生の講演を聞かせていただくのは2回目ですが、今回も心にすとんと落ちるような深い学びをさせていただきました。その中でも特に印象に残った内容を書かせていただきます。

 それは、「考え、議論する道徳」の終着点が“個々の子どもが自分なりの納得解を見出す”ということです。まず「納得解」というのを道徳のワードとして耳にしたことがなかったため、すごく驚きましたが、山田先生の説明を聞いてすごく納得させられました。そもそも道徳とは「人のふみ行う道」であり、それは時代や社会の変化によってあっさりと変わるものだそうです。だから「これが道徳なんだ」と誰かに決められるものではないとおっしゃっていました。確かにそうだなと感じると共に、だからこそ授業で教えるのが難しいなということを感じました。例えば道徳の授業の中でも、「命は大切だ」ということは決まっていることでも、「だから自分は〜する」という行動の規範や意識は一人一人違っていいもので、教師が押し付けることではないのです。

 私はこの考え方にすごく納得すると同時に、実習で道徳の授業がなぜあれほど手応えが感じられないのかやっと分かった気がします。授業が成功したかどうかは一人一人の子どもが一生懸命考え、自分なりの納得解を見つけられたかどうかであって、その場ですぐに判断できるものではないのです。

 今回の講演を聞いて、道徳の授業こそ実践と反省が必要だと感じました。後期のゼミは模擬授業の発表が予想されているので、是非道徳の授業をやってみたいと思います!
山田先生先生を初め、関係者の皆様、ありがとうございました。(安部)