三.学校経営の場面において包み込むこと
- 公開日
- 2023/07/20
- 更新日
- 2023/07/20
船井幸雄の人間学
三.学校経営の場面において包み込むこと
A県のある研究校の話をしましょう。
その学校は,私がかかわって3年目に算数科の研究発表と公開授業をしました。とてもうまくいきました。算数部会に所属している人はゼロという中で研究会が成功したのです。
後日,校長先生からうかがった話です。
「先生,私は先生方に力をつけてほしいと願っていました。ですから,研究発表会をすることには賛成でした。でも,算数の専門はいないし,自信はありません。研究指定を受けるべきかどうか先生方の抵抗がもっとあると考えておりました。
いよいよそれを決める職員会のことです。一番抵抗を示すと思われていた先生が,『村が希望するのならやらねばならない。』と力強く発言したのです。あれで情勢は傾きました。不思議なことです。
また,二番目に抵抗した先生は,研究会が近づくと他の先生よりも頑張り始めたのです。私は,大げさにしないでいいといったのですが皆が頑張ってくれたのです。そして,研究会を迎えることができました。志水先生の支援があったこそ安心感がありました。」 この校長先生はとても謙虚な方です。週に3冊の本を読む読書家でもあります。音楽の堪能な方ですがそれも決して自分から職員にもらさず,先生方を支援してきました。第一,私の前では,抵抗を示した先生の悪口は決して述べたことはありません。また,責めません。
そういう意味では,若い先生方の力を肯定して成長を見守り,包み込んできたからこそ職員が一体化していったのだと思います。
あなたのまわりで対立すること,矛盾することがありましたら,包み込むことを考えてみて下さい。