研究室日記

第3回教師力アップセミナーでの学び(池田、河上、森山)

公開日
2025/09/26
更新日
2025/09/26

学生の学び

こんにちは!10期生の森山です。

今回は、第3回教師力アップセミナーでの学びを記事に書かせていただきます。今回は、横山浩之先生にご講演いただきました。


 〇作業記憶の乏しさへの配慮を常に考える

  私は、横山先生のお話のなかで、初めて作業記憶の乏しさについて考えました。発達障害や精神障害の子どもは作業記憶が乏しいです。そのため、教師が作業記憶への配慮を常に考えることがとても大切であると学びました。例えば、視点の移動を避けたり、ノートのマス目をそろえるなど、ほんの些細なことで、子どもたちが学びやすくなるのだと学ばせていただきました。作業記憶の乏しさへの配慮を教師が考えるか考えないかの差は、子どもたちにとって学習の環境を大きく変えるものになるのだと思いました。一度立ち止まり、これは本当に子どもが学びやすいものになっているか考えられる教師になりたいと思いました。


〇どの子にも分かりやすく、学びやすい授業

  ご講演の後半では、算数と国語の模擬授業をしていただきました。横山先生の模擬授業は、勉強が得意な子だけで進む授業ではなく、どの子どもも参加でき、学びやすい授業になっていました。例えば、いきなり問題を解くのではなく、全体で何度も確認し、理解を定着させてから実際に問題を解き始めていました。また、「できた子は次〜をやってみよう」など、できる子対策がされていました。このように、横山先生の模擬授業から多くのことを学ばせていただきました。これから先、もっと自分のなかで、どの子にも分かりやすく、学びやすい授業とは何かを考えていきたいと思いました。


  横山先生のお話から、教師の心構えや気付き、行動によって、発達特性のある子どもへの配慮や関わり方が変わってくると思いました。よりよい配慮や関わりができるよう、更に勉強していきたいと思いました。

横山先生、貴重なお話をありがとうございました!(森山)




こんにちは!10期生の河上陸です。

8月23日に開催された第3回教師力アップセミナーの学びを記事にまとめます。今回は、特別支援教育の第一人者である横山浩之先生をお迎えし、「発達特性のある子への授業配慮と関わり方~理論を実践に変えるヒント~」というテーマでご講演いただきました。


◯講演からの学び

【作業記憶の乏しさへの理解と配慮】

発達障害・精神障害・心理的な困難に共通して見られるのは「作業記憶の乏しさ」だと教えていただきました。配慮としては、余計な情報を書かない、一目で理解できる工夫をする、言葉をできるだけ簡潔にすることが大切です。これはすぐに実践できる工夫であり、日々の授業で意識すべき視点だと感じました。

【漢字指導における配慮】

「きれいに書かせること」に意識が向くと、覚えることまで手が回らなくなると先生は指摘されました。大量に書かせれば覚えられるわけではなく、筆順と形をしっかり理解してからマス目に収めて書けるようにする方が効果的です。また、空書きの際には「手首を振らない」「対象以外の漢字は黒板に書かない」といった工夫が有効であることを学びました。

【できる子への配慮の重要性】

配慮が必要な子に合わせると、授業が易しくなりすぎてしまうことがあります。横山先生は「目標は一人ひとり違って良い。できる子はさらに伸びるように、そうでない子は必要なことに絞って重点的に」とお話しされました。誰もが学びを得られる授業づくりの大切さを再認識しました。


【行動のレパートリーを増やす】

特に自閉症のある子は行動のレパートリーが狭いため、悪い行動を禁止しても、別の不適切な行動に置き換わってしまうことがあります。大切なのは「良い行動を新たに教えること」。間違ったときに「どうすれば良いか」を具体的に伝えることで、行動の選択肢が増えていきます。今後の声かけや指導では、この視点を大切にしていきたいと思います。


◯模擬授業からの学び

後半は国語と算数の模擬授業を体験しました。前半で学んだ理論をもとに、実際に子ども役になって授業を受けることで、どんな声かけや指導が分かりやすい授業につながるのかを体感できました。特に国語の授業では、授業の進め方の順序を具体的に示していただき、実践的に学ぶことができました。


今回も非常に多くの学びを得ることができました。横山先生、具体的で分かりやすいご講演を本当にありがとうございました。そして玉置先生、運営委員の皆さま、貴重な学びの場を用意してくださり、ありがとうございました!(河上)


みなさんこんにちは!玉置ゼミ10期生の池田です。

今回の教師力アップセミナーでは、字発達特性のある子への授業配慮と関わり方というテーマで福島県立医科大学ふくしま子ども・女性医療センターの横山先生にお越しいただきました。横山先生は、理論だけではなく実際に模擬授業という形で分かりやすく実践の方法を教えてくださいました。


「視点の移動を減らす工夫の重要性」

 あらゆる発達障害、精神障害、心理的諸問題困難を抱える子どもたちには、作業記憶の乏しさがあることを教えていただきました。授業の中では、教科書やタブレットを見たり、ノートに板書を書き写したりと、多くの視点の移動が求められます。例えば、黒板の文字をノートに写すという、一見簡単な作業も、実は一度記憶にとどめた情報を再現するという、とても高度な活動です。作業記憶が弱い子どもにとっては、こうした視点の移動が負担となり、集中ができなくなってしまうことがあります。近年、ICTを活用した授業が広がっていますが、ICTは“子どもの学びを支える手段であり、目的ではない”ということにあらためて気づかされました。


「板書の配慮」

 板書にも多くの配慮がなされており、ノートと黒板の文字数を合わせる工夫や、ノートのマス目を意識した書き方など、子どもがスムーズに書き写せるように配慮されていました。大人にとっては無意識に調整できることも、子どもにとっては大きな困難となることを横山先生のお話を聞いて感じました。授業をする際は板書を事前に考え、子どもの視点に立って授業を進行することを意識したいです。


「全ての子どもにとって分かりやすい授業へ」

 特別な支援が必要な子どもにとって分かりやすい授業を考えると、内容が“易しすぎる”ものになってしまうことがあると思います。しかし、できる子どもへの配慮も同時に行うことが大切だと分かりました。そのためには、授業の目標を子ども自身が設定し、それぞれが自分の目標に向かって取り組めるようにする必要があります。小学校実習でもこのような目標の設定が導入されており、今回の講演を通してその大切さをあらためて実感しました。


 また、パニックへの対応についても教えていただきました。授業中にパニックを起こし、立ち歩くなどの行動が見られる場合には、まずクールダウンの時間を設け、落ち着くことが有効です。しかし、落ち着かせて終わりでは意味がありません。その後に同じような状況が起きたときにはどう対応すればよいかを、子どもと一緒に考えたり、教えることが一番大切であると教えていただきました。子どもの行動のレパートリーを広げられるようにしていきたいです。


今回のセミナーを通して、全ての子どもが安心して学べる環境づくりの重要性や具体的な実践の方法を学ぶことができました。横山先生、玉置先生貴重な学びの機会をいただき、ありがとうございました。(池田)