研究室日記

10月6日小牧市立味岡小学校での学び(松野)

公開日
2025/10/19
更新日
2025/10/19

学生の学び

 こんにちは!10期生の松野結依です。今回は10月6日に訪問させていただいた小牧市立味岡小学校での学びを記事に書かせていただきます。

 今回は計13クラスの授業を見学させていただき、後に研究協議にも参加させていただきました。

 授業を観察する中で、先生が問いかけると子どもたちがたくさんつぶやいたり、仲間の発表を聴いて素直に反応したりする姿が見られました。ペアやグループでの話し合いでは、特定の子どもだけが発言するのではなく、仲間の考えを聴き合い、そこからもう一度話し合ったり、グループで出た疑問をみんなで考えたりするなど、子どもたち自身がつながりを大切にする姿が多く見られ、あたたかさを感じました。

 数多くの授業を見学させていただき、たくさんのことを学ばせていただきました。今回学んだことを授業観察と研究協議の二点に分けて書かせていただきます。


 まずは授業観察から学んだことについてです。授業を観察して、特に子ども同士の関わりを生かした学びの場をつくることや一人ひとりを認めることの大切さを学びました。

 例えば、国語科の授業では、子どもたちが自分の考えや疑問点を出し合い、仲間の意見をもとにみんなで話し合っていました。その際に、先生は一部の子どもだけではなく、全員が着目して話し合いに参加できるように、もう一度音読する機会をつくったり、発言者だけではなく、聴いている子どもたちの表情から意図的に指名して、考えを広げたりしていました。

 また、一人の子どもが挙手をして発言しようとしましたが、うまく言葉にできず、泣きそうになってしまう場面がありました。しかし、話そうとする姿を見て、先生も仲間も「話そうとしてくれただけで嬉しい」と声をかけている姿がありました。子ども同士の結びつきを大切にしたいという先生の思いが子どもに伝わっているからこそ、子どもは自分の意見を仲間にも伝えてみようと思うことができ、さらに仲間の意見や姿を認めることにもつながっているのだと感じました。私も子どもが安心して発言でき、認め合える環境をつくっていきたいと強く思いました。

 社会科の授業では、振り返りの共有から始まり、それぞれの振り返りのどの点が良いのかを具体的にほめながら全体に共有していました。振り返りを共有する際には、決まった子どもだけにならないように確認し、一人ひとりを学級全体で認めることを大切にしているとおっしゃっていました。

 これらから、自分の考えや疑問に思ったことを学級の仲間にも話したいと自ら思える授業や環境をつくるためには、日頃から一人ひとりの思いや考えを丁寧に受け止め、認めることが大切だと学びました。また、一度説明を聞いただけでは理解が難しい子どももいるため、もう一度ペアで話す時間を設けるなど、思考の追随をさせることが大切だと学びました。

 この他にも、特別支援学級の算数の授業では、子ども一人ひとりの実態に応じて声をかけ、お金の扱いや買い物の仕方について学ぶ活動が行われていました。店員役の子どもが「またいつでも来てください」と声をかける姿も見られ、学びが生活に結びついていると感じました。


 次に研究協議で学んだことについてです。私は音楽科の研究協議に参加させていただきました。子どもが情景を思い浮かべたり楽しさやおもしろさを感じたりしながら歌うことができるように、板書や資料を工夫するだけでなく、教材を提示する場面や順序を意図的に構成することが大切であると学びました。また、旋律や強弱などを意識して表現できるように、二つの音を比較したり感じたことを話し合ったりする活動を取り入れることが大切だと学びました。

 全体会では、玉置先生の講話を聴かせていただき、教材研究や教師の声かけ、授業展開を工夫することの大切さを学びました。

 「等しい」など、算数の学習の前提となる言葉でも、実は意味を十分に理解できていない子どももいるため、教材研究を通してねらいを明らかにし、子どもの実態を把握した上で授業展開を工夫することが大切だと感じました。さらに、「わからない」や疑問から学びが深まっていくため、子どものつぶやきを拾い、子どもの心を生かした授業をつくることが大切だと学びました。学びたいという気持ちがあっても学べない子どももいるため、一度説明したら分かったと思わず、子どものわかる言葉で説明したり、ペアで確認し合う時間をつくったりすることが大切だと学びました。

 研究協議を通して、子どもたちの学び合いがより深まるように、教材の提示の仕方や発問の工夫など、一つ一つの場面を大切にしながら、子どもの発言などを生かした授業つくりたいと改めて感じました。


 今回学んだように、子どもの思いや子ども同士のつながりを大切にし、子どもが「自分の考えを学級の仲間にも話したい」と自ら思える、互いの意見を認め合える授業や学級をつくっていきたいと思います。そして、先生方のように一人ひとりの子どもを丁寧に受け止め、全員が学びに参加し、学び合うことができる温かい授業をつくっていきたいと思います。


 このような貴重な機会をつくってくださりありがとうございました。(松野)