研究室日記

愛知教育大学附属名古屋中学校でのGC研究会に参加!!(小川)

公開日
2016/12/17
更新日
2016/12/17

学生の学び

 愛知教育大学附属名古屋中学校で行われた「明日から使えるGC(作図ツール)活用研究会 公開授業」に参加させていただきました。

 GCを用いた数学科授業を行い、すぐに協議会で改善点を挙げて、修正した授業を行います。どんな授業を行い、協議会ではどのような意見が出て、その意見の中からどこを修正していくのかとても楽しみでした。

 1回目の授業で、私は今回行う授業の教材が難しいものであるなと考えていましたが、生徒たちは一生懸命に取り組んでいく姿が見られ素晴らしいなと感じました。今回の教材は「四平方の定理」です。三平方の定理を発展させて、四角形の各辺にあらわれる正方形の面積の関係を考えていくものです。

 授業者は隣り合う正方形の面積の和に絞り、授業を行いました。導入で生徒たちに課題を把握させた後、タブレット端末をグループに1つ渡し、用意されたGCを用いて、色々と動かし、関係を見つけていきます。私は1つのグループの様子を見続けていました。このグループでは、色々と動かした後、1つの点を動かすことで、動点の軌跡は円になるのではないかと予想を立てることができました。しかし、そこから進むことができず、どうして円になるのかを一般化することができませんでした。私はグループの生徒たちが誰1人よそ見することなく、協働して課題を追究する姿がとても素晴らしいと感じました。

 協議会では、「導入で教師がしゃべりすぎだ。」、「教師が円にこだわりすぎではないか。」、「もっと早くタブレット端末を生徒に渡すべきではないか」などの改善点が出ました。たくさんの意見が出たため、意見同士に矛盾が出ることもあり、授業者はいったいどの意見を選び改善するのかとても楽しみなものとなりました。

 2回目の授業では、がらっと変わり、課題を向かい合う辺の面積の関係に変え、導入を短く行い、すぐに生徒にタブレット端末を渡して、生徒の追究する場面を長く取っていました。1回目の授業では教師の意図的な進行が感じられましたが、2回目の授業では生徒が作り上げていくといった授業であったと感じます。私は1つのグループを見ていましたが、タブレット端末を動かながら、「ゴールがわからない」と連呼していました。導入を短くすることで課題把握が薄くなってしまったのが原因ではないかと考えます。しかし、このグループも誰1人よそ見することなく、最後まで諦めずに取り組めていました。

 今回の研究会を通して、教材研究の面白さを一番に感じました。私は「四平方の定理」を今まで知りませんでしたが、とても面白い教材だったと思います。グループ学習の中で、タブレット端末を囲み話し合う生徒たちの姿はとても深い学びになっていたことだと思います。話し合いの中で、「円の性質から考えると」、「傾きを考えると」、「この2組の三角形は合同だから」といったように、今まで習った単元から培った知識を総動員して、課題と向き合っていました。1つの単元を通して学習していると、どうしても生徒は形式化してパターンで解き進めててしまいますが、このように発展した教材を取り入れていくことで、復習や定着を図ることができ、学力につながっていくのだと感じました。生徒の学力向上には教科書にとどまることなく、教師の挑戦的な授業が必要であると考えます。そのために教材研究を日々行い、学び続けていくことが大切であると感じました。

 授業者の山中先生をはじめ、愛知教育大学附属名古屋中学校の先生方、参加させていただきありがとうございました。(小川)