情報モラルの指導の在り方(教育に情報化に関する手引より)
- 公開日
- 2009/06/25
- 更新日
- 2009/06/25
お役立ち情報
文部科学省が3月に発行した「教育の情報化に関する手引」(p77〜p78)からの抜粋です。
情報モラルの指導の在り方として、「考えさせる学習活動の重視」を掲げていることに注目しておくべきだと思います。
(1) 不易の部分の指導と変化への対応
情報モラルは,道徳などで扱われる「日常生活におけるモラル(日常モラル)」が前提となる場合が多く,道徳で指導する「人に温かい心で接し,親切にする」「友達と仲良くし,助け合う」「他の人とのかかわり方を大切にする」「相手への影響を考えて行動する」などは,情報モラル教育においても何ら変わるものではない。
道徳における指導の内容には,
・主として自分自身に関すること
・主として他の人とのかかわりに関すること
・主として集団や社会とのかかわりに関すること
などがあるが,情報モラルでは,ネットワークを介してこの「他の人」や「集団や社会」とかかわることとなる。
したがって,その指導に当たっては,携帯電話やパソコンなどを通じてインターネットを利用することにより,知らない人や社会とのつながりが簡単にできることや,顔を見なくてもあるいは名前を知られなくてもコミュニケーションができるといった,情報社会やネットワークの特性を踏まえることが必要であり,それに伴う危険などにも触れていく必要がある。
情報モラル教育において重要なことは,第1 節でも述べたとおり,情報社会やネットワークの特性とその危険を知ることのみがねらいではなく,ネットワークを通じて他人や社会とよりよい関係を築けるよう,自分自身で正しく活用するために的確な判断ができる力を身に付けさせることである。
(2) 考えさせる学習活動の重視
第1 節で述べたとおり,情報モラルの指導は,各教科等において指導するタイミングをうまく設定し,繰り返し指導することが大切であるとともに,児童生徒どうしで討論することや,インターネットで実際にあるいは擬似的に操作体験をしたり調べ学習をしたりするなどして,「情報モラルの重要性を実感できる授業」を実践する必要がある。特に,学習指導要領解説総則編においては,情報モラルの指導のための具体的な学習活動について,一方的に知識や対処法を教えるのではなく,児童生徒が自ら考える活動を重視している。