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UD22 まず足下を固めよ

公開日
2014/07/14
更新日
2014/07/14

授業のユニバーサルデザイン

宮崎で下石先生の授業と永田先生の授業を参観した。

そのとき、多様な考えの取り扱いについて、とてもうまく実践しているので参考になった。
比の利用の問題では、教科書では2つの考えを提示している。  

その2つの考えを同時に扱うか、それとも1つずつ扱うか。ここが問題である。
下石さんも永田さんも、一つ目の考えを丁寧に扱い、教科書にはない適用問題をさせていた。そこで、子ども達は自信をもった。
次に、二つ目の考えを扱った。すると、ぐいぐいとついてきた。そして、二つ目の考えで適用問題をさせていた。

明らかに2つの考えについて理解していた。
ところが、通常の問題解決型の授業ではこうはうまくいかない。
1つしかできていないのにもかかわらず、2つ同時に発表させることが多い。だから、どちらか一方の考えのおさえが甘くなる。

さて、反省会のときに、コアの考えとオプションの考えを区別したのがよかったとほめた。このことは前々から私も話してきたことである。
すると、下石先生は、留学してるときに、「先生が高校の校長先生から話されていたことが気になっていたのです」と。
それは、「高校では、別解をやるよりもまずは1つの考えをきちんと扱った方がよい」と話されていた。この話を彼は覚えていた。校長先生は、続けて「優秀な生徒は別解を扱ってもよいが、ごく普通レベルの生徒には1つの考えの定着の方が大事です」と話されていた。このとき、私も同感だと思った。

UDの観点から言えば、まずは足下を固めることが重要である。
私の言葉で言えば、問題解決のきちんとつくることである。そこから、子どもたちに余裕があれば出発して次の問題解決へと移ることである。余裕がなければあっさりやめることである。
算数教育の常識とは異なるが、強く提案したい。