9月26日一宮市立瀬部小学校での学び(榊原)
- 公開日
- 2024/10/13
- 更新日
- 2024/10/13
学生の学び
こんにちは、玉置ゼミ9期生の榊原計人です。今回は、9月26日、一宮市立瀬部小学校で行われた研究授業での学びを記事にしていきます。
今回の授業は、5年生の算数で、平行四辺形の面積の求め方を考える授業でした。既習事項の三角形と長方形の面積の求め方を利用していく授業で、私は大きく2つの学びがありました。
・子どもの振り返り
・アナログの部分の使い方
<子どもの振り返り>
授業の最初、前の授業で子どもが書いた振り返りを紹介していました。選ばれたのは、細かい深い振り返りが書かれていた3つで、書いた子とその内容を紹介するものでした。
1.上手く書けない子への見本になる
紹介する際、この言葉がよかった!こんな書き方やまとめ方がよかった!と説明していました。これによって、振り返りの書き方がよく分からない子が「こう書けばいいのか」と知るキッカケになっていきます。また、先生からの「こんなことを書いてほしい」などの説明を加えることで、上手く書けない子も、だんだんといい振り返りが書けるようになっていきているそうです。
2.紹介された子の自信につなげる
いい振り返りを紹介し、よく書けていた部分を褒めることで、紹介された子は「次もいい振り返りを書こう」とやる気があがります。それが続けば、細かくて深い振り返りを書くことが習慣化されていくのだと思います。また、振り返りを良くするために、授業をより真剣に受けるうになると考えられます。なので、「振り返りを書く」→「授業をより真剣に受ける」→「良い振り返りを書く」といった良い循環が期待できます。
3.導入につかうことで本時の道しるべになる
先生は、振り返りの中にでてきた本時でも使う考え方や言葉を紹介、強調していました。これによって、子どもにその考え方を思い出させる他、記憶にも残すことができます。それが授業内の道しるべになり、新しい考え方を思いつくきっかけにつながっていきます。
年度の始めは、クラスみんなのふりかえりは抽象的で短かったそうです。「〜ができた。」「〜がわかった。」などが内容が薄いものが多かったと仰っていました。いい振り返りを紹介することで、子どもたちがそれを読み取り、自身に反映していきます。これを繰り返し継続することで、子どもの振り返り力が向上し、今では細かい深い振り返りを書く子が多くなったそうです。素晴らしい活動は、継続することが重要なんだと改めて感じました。
<アナログな部分の使い方>
1.掲示する紙の使い方
今回の授業では、図形が印刷された紙を4枚使い、それぞれに違う4つの考え方を書いて黒板に貼り説明に使っていました。これにより、黒板をパッと一目見るだけで、4つの違う考え方が子どもの目に入り、子どもの視点の移動を少なくできます。視点の移動が多いと、子どもは疲れてしまうし、何を見ればいいのか分からなくなってしまう可能性も考えられるので、見るべきポイントを黒板だけに絞る紙の使い方や掲示の仕方はとても勉強になりました。
2.直感的にわかる
子どもから少し複雑な考え方が発表され際、先生は、実際に図形が印刷された紙をハサミで切って、子どもの考え方を皆に共有していました。電子黒板にペンで矢印や文字を使って説明されるよりも直感的でわかりやすく、子どもも理解しやすかったと思います。もし電子黒板で説明していたら、理解できない子どもも増えていただろうし、せっかく発表してくれた子も「皆に伝わらなかった」と感じてしまっていただろうと考えられます。子どもにとってなにを使ったら分かりやすいのかを考えて、臨機応変に対応していくことの大事さを痛感しました。
3.板書がスッキリする
デジタルとアナログを上手く使い分けており、2つのバランスを工夫されていて、板書がとても見やすくなっていました。授業では、子どもが発表したことの説明を電子黒板の図とペンで行い、重要な考え方や解き方を板書にまとめていました。板書に書くことを多くしないことで、文字や図の周りに余白が生まれます。これにより、板書がスッキリ見えるのだと考えました。デジタルの部分とアナログの部分のバランスを考えることが、いい板書を作る要素の1つだと知りました。
電子黒板やタブレットなどのデジタルな部分を多様するなかで、黒板に書くことや紙を切って見せるといったアナログなやり方の重要さも感じる授業でした。私が実習や模擬授業で行っていたものは、電子黒板か黒板のどちらかに頼りきってしまうものが多かったです。しかし、今回の授業を見て、デジタルとアナログの2つの部分をバランスよく使った授業のわかりやすさや、受けている子どものいい反応を知ることができました。
今回学んだ振り返りの使い方と、デジタルとアナログのバランスの2つを自分なりに落とし込み、担当するクラスに合った良い授業を作っていこうと思います。今回の経験は教員になった際に必ず活かします。玉置先生、瀬部小学校の先生方、ありがとうございました。(榊原)