情報モラル教育の基本的な考え方
- 公開日
- 2009/04/26
- 更新日
- 2009/04/26
お役立ち情報
1. 情報モラル教育の基本的な考え方
社会の情報化が進展する中で,情報化の「影」の部分を十分理解した上で,情報社会に積極的に参画する態度を育てることは,今後ますます重要になる。携帯電話やパソコンなどを通じたインターネット利用が急速に普及し,児童生徒の間にも普及が進む中で,現在,インターネット上での誹謗中傷やいじめ,インターネット上の犯罪や違法・有害情報などの問題が発生しており,こうした問題を踏まえ,「情報モラル」について指導することが必要となっている。
「情報モラル」とは,「情報社会で適正に活動するための基となる考え方や態度」のことであり(小学校及び中学校の学習指導要領解説総則編及び道徳編),その範囲は,「他者への影響を考え,人権,知的財産権など自他の権利を尊重し情報社会での行動に責任をもつこと」,「危険回避など情報を正しく安全に利用できること」,「コンピュータなどの情報機器の使用による健康とのかかわりを理解すること」など多岐にわたっている。
情報モラルは、「情報社会に参画する態度」の重要な柱であり,情報モラル教育は,情報教育の一部として,「情報活用の実践力」や「情報の科学的な理解」との連携を図り,それら全体のバランスの中で指導する必要がある。
「情報社会に参画する態度」が最終的に目指す「望ましい社会の創造に参画しようとする態度」とは,情報社会に積極的に参加し,よりよい社会にするために貢献しようとする意欲的な態度のことである。この意味から考えて,「情報モラル教育」とは,情報化の「影」の部分を理解することがねらいなのではなく,情報社会やネットワークの特性の一側面として影の部分を理解した上で,よりよいコミュニケーションや人と人との関係づくりのために,今後も変化を続けていくであろう情報手段をいかに上手に賢く使っていくか,そのための判断力や心構えを身に付けさせる教育であることをまず念頭に置くことが極めて重要である。
(文部科学省21年3月発行「教育の情報化に関する手引p72)