野見小4年算数授業の参観・助言(2024年4月)
- 公開日
- 2024/05/04
- 更新日
- 2024/05/04
授業事例
4月30日,豊田市立野見小学校4年生の算数の授業を参観・助言しました。授業は折れ線グラフの第3時です。小数値の変化を折れ線グラフで表すには1目盛りを0.1にすることが効果的であることに気付かせる狙いの授業です。この授業を校内の先生方が参観し,授業後には校内研修会全体会が行われました。
野見小学校は2022年度から継続して校内研修に関わっています。3年目になります。今回の研究授業は,新年度を迎え,授業に対する先生方の意識を共有するために行われました。私が学級の児童に,協同の意識,グループ学習の効果,対話のスキル,話し合いの進め方を直接指導し,そこではどのように伝えているのかを先生方に知ってもらい,指導を受けて児童のグループ学習がどのように変容していくのかを見てもらいました。
授業では,グループでだんだんと関わり合う姿が見られるようになりました。話すことが苦手なメンバーに他のメンバーが声をかけ,その子の考えを引き出す姿が見られました。グループの全員が対話して折れ線グラフの特徴をまとめました。
写真の場面は,グループでまとめたことを全体で発表している様子です。
説明する児童から次のような意見が出されました。
「前回の授業は整数を折れ線グラフにしたけれど,今回グラフにするのは体温で体温は小数部分が変わります。小数部分が変わるのを表すのはメモリが0.1のグラフ用紙の方が変わり方がよくわかります」
「このグラフの下にギザギザがあるのは,0からここまでは値(体温)がないから書かなくてもよいからギザギザ(省略を表す二重波線)にしてあるのだと思います」
以上の意見はこの授業のねらいに到達した発言です。発言した児童は個人解決でこのような気付きまでには至っていませんでした。
グループの話し合いで,分からないで困った児童から,どうしてグラフの形が異なるのか,グラフ用紙の下にギザギザ(二重波線)があり,0から連続していないのが変だと言う意見がありました。そのメンバーに説明することで,上の発言のような理解に至りました。
分からないメンバーが分かるように説明することで説明者自身が理解を深めるという対話による相互作用の効果が見られた事例です。