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学校日記

2024年6月平井小算数グループを活かした授業

公開日
2024/06/14
更新日
2024/06/17

授業事例

 2024年6月13日 豊田市立平井小学校では5年生の算数の研究授業と校内研修会が行われ,講師を務めました。

 研究授業は,5年合同の学習でした。図形の敷き詰めを教材にした単元業が計画され,今回は第2時の授業(教科書の扱いでは第1時)でした。そこでは,4つの正方形を組み合わせてできる図形は何種類あるか,合同に着目して調べる課題が設定されました。

 今回の授業では,2つのパターンのグループ学習が指導過程に位置づけられました。1つは個人解決の成果を持ち寄り,グループで話し合い解決する「協同解決型のグループ学習」です。もう1つは,主問題を解くために必要となる知識,考え方,見通しを学ぶための「足場づくりのためのグループ学習」です。

 授業の主問題は4つの正方形を並べる問題ですが,その前に3つの正方形を並べてできる図形は何種類になるのかという問題を設定し,それをグループで3分間程度話し合う活動を取り入れた後に,教師が合同の定義を示しました。
 
 教師が最初から合同の定義を与えてしまったり,一部の児童の発言をもとに合同の定義を知らせるのではなく,グループ学習を取り入れ対話の機会をつくることで,児童の理解レベルを上げておいてから合同の定義を与えました。このグループ学習は,主問題を解くために必要となる知識や考え方の足場をつくるために行われました。

 ただし,足場づくりのためのグループ学習が行われるためには,グループですぐに話し合いが始まり,メンバー間で関わり合いのある話し合いがなされなければなりません。この学級では,協同の意識,対話のスキル,話し合いの進め方のスキルが良く指導されており,全員が関わり合う対話がスムーズになされる状況にありました。そこで,今回,足場づくりのグループ学習を取り入れました。

 児童は,足場づくりのグループ学習を通して,合同を確かめる方法に気付きました。4つの正方形を並べてできる図形は何種類あるかについてグループで追求した結果,全てのグループが5種類になることを導くことができました。課題レベルは高いものでしたが,グループ学習の効果が発揮されました。
 
 特に,注目したのは個人解決ではメンバー全員が2種類しか見出さなかったグループです。そのグループでは,1人の成員が「2種類以外に他にありそうな気がする。正方形が3つの時は…」という発言がでて,その発言がきっかけとなり,他の図形ができないか考え始めました。その結果,ホワイトボードを思考ツールとして活用しながら,4人で話し合い,結果的にあと3種類の図形に気付くことができました。対話による相互作用の効果が発揮され,理解が深まった事例と言えます。また,足場づくりのためのグループ学習で話し合われたことが活かされたと事例と言えます。