第4回・ノート指導で子ども把握…
【第4回】ノート指導で子ども把握力を高めよう
授業が終わった後、一番楽しみにしているのはノート点検です。何を書いてくれるか何を学んでくれたかをわくわくしながら読んでいます。教師が学んでほしいと思った以上のことを書いてくれると、とても嬉しくなります。反対に「何だ、こんなことしかわからなかったの」と思うと、再度指導をしなければならないと反省します。
どちらの場合も私にとっては子どもからのエネルギーをもらうことになります。ですから、ノートを点検するというよりも早く見たくてたまらないという気持ちの方が強いです。それが、何年も続くといつのまにかノート点検のスピードまで速くなってしまい、今では放課の10分で30人を見られるようになりました。今回はそのノート指導について思っていることを書いてみます。
学習過程を振り返ることができるノートが基本
板書されたことをそのまま写すのではなく、自分なりの言葉、図で学んだことを表現しなさい、これが私のノート指導の基本的な考え方です。例えば、算数の概念を本当に自分の物として認知できる瞬間は、自分なりの言葉や図で表現できた時だと思います。
学習振り返りノート指導のスタートは筆算などから
「123÷3」
などの筆算は、計算方法を学ぶ授業です。
まず、1÷3はできないから
12÷3
で考えて
4
をたてる。
次に、
3
と
4
をかけて
12
、
12
から
12
をひいて
最後に、
3
をおろす。
そして、また
3÷3
を
・・・・
子どもたちが、このように
123÷3
の計算方法を式だけでなく言葉も添えてノートにまとめることで、本当に分かったという瞬間が生まれます。このように書かせることは大変だと思う方もありますが、今日の学習を時間の経過にそって表すわけですから、子どもたちの「書く」ことへの抵抗感は意外に少ないものです。このような計算方法を説明してみるといった場面から
「振り返りノートを書く」
訓練を始めるとよいと思います。
ノート点検は短く
ノート点検は大変で時間がとれないという方もみえます。私のノート点検の基本は、「良い考えの所に朱線を入れること」、これです。これで、十分に個に対応した支援となります。その上で、以下の3つの留意点を心がけているとよいと思います。
- 学習したことを元に、自分なりの疑問や課題を書いているか。
- 課題に即して自分の考えを説明しているか。
- 正しい式や答えが書いてあるか。
段階をアップして書く内容のレベルをあげる
私が子どもたちのノートの質を高める指導のポイントを紹介しましょう。
「今日 勉強して分かったことを書きましょう」
まず「書く」作業を取り入れ、集中力を高め、「聞く」ことがきちんとできるようになることが大切です。
「123÷3の筆算の方法について書きましょう」
「書く」内容を指定して、課題についての理解度を高めさせることが大切です。時間があれば、ノートを互いに見合わせたり、紹介させたりすると良いでしょう。
「A君の意見について自分の考えを書きましょう」
良い意見を発表した子どもを指定し、その子どもの発言をノートに必ず書かせた上で、課題解決の流れを書かせるのです。
Bの児童・・・第1+第2
Cの児童・・・第1
子どもの理解力を把握し、次時の授業に役立てる
これまで書いてきたことと重なりますが、なぜ学習課程を振り返るノート指導をお勧めするのかを書いておきましょう。
123÷3=41
という問題が解けていたとしても、どこまで筆算の仕組みを理解して解いていたかは、判断できません。そこで筆算の方法を書かせることで、思考力そのものを評価できるのです。例えば、
12÷3
は実際には
120÷3
を意味していることまで理解しているのかを子どもの文章から読み取ることができるのです。
もちろん、ノート点検で、機械的に計算しているだけの子どもを見つけたら、次時の授業で仕組みまで理解させて桁数が大きくても自力解決できるようにしようという目標を持って授業に臨むことが一番大切であることは言うまでもありません。
(2004年10月18日)
●和田 裕枝
(わだ・ひろえ)
愛知県豊田市立若林東小学校教諭。愛知教育大学の志水廣教授に800人見た中で一番授業がうまい人!と言わせた高い授業力の持ち主。特に、子ども把握力に優れ、授業では、その子のよさを活かす様々な授業技術を駆使する。和田さんの授業力を盗みたいという全国の教師は多数。