研究室日記

7月4日第2期生ゼミ記録(吉田)

公開日
2016/07/21
更新日
2016/07/21

学生の学び

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 7月4日の2期生のゼミが行われました。

 今回は体調が悪く参加できなかったメンバーがいましたが、この記録を見て、少しでも参考になればと思います。今回は江口さんと白井さんの発表でした。

 江口さんは「世界のいじめ対策」ということをテーマに発表してくれました。まず、日本人は他の諸外国に比べ、相手にストレスを感じやすいということを話されました。それを踏まえたうえで、教師は温かい人間作り、自分の感情と向き合う授業が大切であるのではないかという考えを示しました。

 次に、OECDの調査で幸福の国ランキング上位にある北欧、特にフィンランド、デンマークでのいじめに対する対策へと話題が移ります。

 フィンランド:「kivaプログラム」という取り組みについて

 デンマーク:いじめ=犯罪という意識があり、犯罪原因論・犯罪機会論という2つの側面から対策をしていると挙げました。また、小学校と幼稚園の間の学年「0年生」を設け、感情を育てる授業をしていること

 これらのことを説明し、小さいころから「いじめをしない子」だけでなく、「止めることができる子」を育成することの大切さに着目して、日本の現状と照らし合わせるというとてもわかりやすい発表でした。

 白井さんは「学び合いで学校を変える」というテーマに発表してくれました。前回の反省から「子ども主体の学び合いは理想であるがあるが、段階があるのではないか」「自分が受けてきた学び合いの感覚」ということを冷静に判断し、「学びの共同体の学校は子供だけが学び合うのでなく、先生、保護者、市民もが学び合いに参加する」というビジョンを提示しました。

 そこから3つの哲学、⑴公共性、⑵民主主義、⑶卓越性についてより深く、話を聞いている人がわかるように丁寧に説明をしました。そして次に「教え合う関係」と「学び合う関係」の違いに着目し、話が進みました。

 教え合う関係:わかっている子がわからない子に一方的に教える関係
       →援助を待つ子供を育ててしまう
 学び合う関係:わからない子の一言から始まり、両者が同じ立場で学び合える関係

 このことから勉強が苦手な子に他者に援助を求める能力を育てていくことがよいのではという考えを出されました。白井さんの発表はとても論点が整理されていて、その先の課題まで見通した発表となっており、とても刺激的な時間となりました。

 発表終了後、玉置先生が学び合いのイメージをゼミのみんなで共有するために学び合いをしている写真を見せてくださいました。

 自分の学校の違いがたくさんあり、何気なく撮った日常の写真だと思えないくらいの衝撃でした。一つ一つの写真の中で「僕を置いていかないで」「教えてくれてありがとう」「なんで?」といった言葉があふれていました。

 そして、学び合いの学習がなぜ生まれたのか、学び合いは学習者が学ぼうとすることを原点としていること、そのため工夫(机をコの字にする、市松模様にする、話し合いの班長はいないことなど)をお話しいただきました。

 このゼミ生の中に学び合いの授業を受けたことのある人、受けたことがない人がいるという中での意見交流は、大いに盛り上がりました。

 次に教育新聞を配られ、ゼミで学んでいることが現在の教育現場で求められていることを確認し、より学びに自信を持つ機会となりました。

 また、玉置先生が連載されている記事を拝見し、改めて素敵な先生のもとで学ばせていただいていることを実感しました。

 その後、今回のゼミではあるキーワードを先生が挙げられました。

「主体的で対話で深い学び合い」

・主体的:言葉の通り、自分自身が積極的に取り組むこと
・対話:ペア学習、生徒同士の話し合い、先生と生徒、本を読むなどで人、意見などから論を練り上げていくこと
・深い学び:学びを深くしていかなければいけない。また、それは授業者が仕掛けていくことが重要である。

 ゼミ生はこの言葉を聞き、すぐに手を動かし、ノートに記録をしていた。この言葉の奥に先生が話されなかった隠された意味があると自分自身で考えたいと思う。

 最後に今後の予定について確認をし、1時間半があっという間に過ぎていきました。ゼミの雰囲気が回を追うごとによくなってきています。今後も切磋琢磨していきたいと思います。(吉田)