研究室日記

恩師との思い出 その2

公開日
2015/09/06
更新日
2015/09/06

学生の学び

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前回の記事にも書いたように、私が教員を目指したのは小学校6年生のときの担任の先生との出会いがきっかけである。思い出に残っているエピソードを今回も1つ紹介したい。


今回紹介したいのは先生の指導に対するこだわりである。私が通っていた小学校には生活指導のために5つのめあてが守れたかどうかを一週間記録していくというものが月に一度あった。めあては月によって変わるが、あいさつができたか、親の手伝いができたかなどがあった。

低学年のうちはきちんと取り組むが、学年が上がるにつれて週の終わりに適当にチェックをし、親にサインをもらってくるといった児童は増えた。毎日めあてを振りかえってチェックをする者は高学年になるとごく少数になっていた。

6年生になったとき、担任の先生はこのチェックはやらないと公言した。適当に取り組んでいるのがお見通しだったこともあるが、先生には「自分の授業を受けていれば生活指導もしっかりとできる」という自信があったのではないかと今になって私は思う。週末は自分の手で上履きを洗ってくるといったこれまでにはない宿題がよく出たが、先生はたくさんの工夫をして私たちに生活指導を行っていた。

「どうしてこの学級はチェックをしないのか」と担任の先生が教務主任に指摘されている場面を見かけたことがある。そのときの担任の先生は自分の指導について熱く語り、しっかりと意見を伝えていた。子どもながらに上下関係は分かったし、学校全体で取り組んでいることでもあったので、チェックをしないことが正しいことなのかどうかは分からなかった。今でもどちらが正しいことなのか自信を持って答えられない。だが、こんなにも自分の指導にこだわりを持ち、私たちに向き合ってくれる先生がとてもかっこよかった。そしてその指導へのこだわりは私たちを大きく伸ばしてくれた。(1年間そのチェックは行われなかった)


絶対にあんな先生になるんだ! 先生の存在は憧れだった。私の思い込みかもしれないが、教務主任と話すあの場面はいつ思い出しても私を奮い立たせてくれるシーンである。(松井)