研究会日記

第1回 例会 (詳細・3)

公開日
2017/05/09
更新日
2017/05/09

活動記録

  • 2964093.jpg
  • 2964094.jpg
  • 2964095.jpg

https://asp.schoolweb.ne.jp/ai_school/blog_img/75274309?tm=20250206144114

https://asp.schoolweb.ne.jp/ai_school/blog_img/75274664?tm=20250206144114

https://asp.schoolweb.ne.jp/ai_school/blog_img/75274707?tm=20250206144114

4月23日(日)に開催された「平成29年度 愛される学校づくり研究会 第1回例会」の詳細です。

**********

議題6.ミニ講演「直言!学校教育や教師に伝えたいこと〜ただのお母さんが「教師向けセミナー」に参加して思ったあれこれ〜」(斎藤早苗)

当研究会では、会員の学びの時間となるように、様々なゲストをお招きして「ミニ講演」を行っています。
今回は、会員である斎藤が担当させていただきました。
専門家ではない普通の保護者に、このような貴重な機会をいただけたことに、心から感謝しています。ありがとうございました。


当研究会に参加させていただいたおかげで、学校の置かれている厳しい現状や、現場で先生方が直面している課題など、普段なかなか知ることができない情報を得ることができました。

そして、知れば知るほど疑問もわいてきますし、さらに「世に出て名声を得られている他の先生方の考えを知りたい」「他の地域はどうなっているのか?」「現場に課題意識はあるのか?」「これからの教育がどうなっていくのか?」など、もっと知りたいことも出てきました。

そんな気持ちから、あちこちの「教師向けセミナー」に足を運ぶようになり、そこで新たな交流も生まれてきました。

こうした経験を通じて「ただのお母さん」が思っていることを、「伝えたいこと」としてお話させていただきました。
その内容を、簡単にご紹介します。


●なぜ参加するのか

2016年1月から2017年4月までに参加したセミナーを数えてみました。
その数、なんと50回。これには自分でも驚きました。
それ以外にも、有志による勉強会や研修会に顔を出したりしていました。
会場も、愛知県だけでなく、北海道や兵庫まで行きました。

「なぜ参加するのか」とよく聞かれます。
「教員ではないのに、どうして教員向けセミナーに行くの???」と不思議がられます。
単に、私が物好きだということもありますが、大きな動機は「聞きたい」「知りたい」というところにあります。
知らないことを知ることは、とても楽しいです。「学ぶって楽しい」これは大人も子どもも同じだと思っています。


●学んだことを仕事に活かす

私は教員ではないので「畑違い」の人間ですが、セミナーに参加していろいろと得るものがあります。
例えば「ファシリテーション」や「ペアトーク」「グループ討議」などは、仕事の場でも活用しています。
私は小さな町工場の経営に携わっていますが、これまでは従業員とのコミュニケーションの取り方や情報共有の仕方などに課題を感じていました。
セミナーで学んだ手法をアレンジして取り入れたところ、良い感触を得ています。
その経験から、「学校経営」「学級経営」は会社経営にもつながっていることや、異業種から学ぶことの大切さを実感しています。

野口芳宏先生の言葉「経験は意図的に積み、整理を加える」に、とても共感しています。


●伝えたい「4つのキーワード」

いろいろなセミナーに参加して、いろいろな地域の先生方と交流していく中で、私が感じていることを「4つのキーワード」にしました。

・地域性

他県に行くと、若い先生がたくさん参加しています。
若い先生が意欲的に学ばれているのは、うれしいことです。
しかし、ベテランの先生の学級であっても「荒れている」という話をよく聞きます。

忙しいのは承知していますが、昔ながらの手法にしがみついていないで、新しい手法も学び、取り入れる勇気が必要なのではないでしょうか。

また地域によって、様々な事情が違うことも実感しています。
過疎地であったり、生活が困難な地域もあります。
そうした地域では、私たちが思いもよらない対応が必要になる場合もあるということです。

この愛知県は落ち着いている、というのが私の印象です。
保守的な文化で、保護者も地域の人も学校に対して協力的です。

そうした恵まれた環境にあることをもっと自覚して、それだからこそできる「もう一段上の教育」を目指してもいいのではないか、と感じています。


・当事者意識

多くの先生が「コミュニティスクール」も「チーム学校」も知りません。教育行政の動きや地域のことに関心がないのです。

また、学校が置かれている状況を認識していないとも感じます。

社会の中で、学校がどんな目で見られているのか、これからの未来はどうなっていくのか、そういったことに関心を向けてほしいと思います。

先生方が育てている子どもたちが生きるのは「未来」です。
その未来がどうなっていくのかを知らなければ、子どもたちがどんな力をつけるべきなのかもわかりません。

もっと「当事者意識」を持って、子どもたちが未来を生き抜くために必要な力とは何か?を考えてほしいと思っています。


・同僚性

意欲のある先生ほど、外に学びの場を求めているように感じています。
それはいいことだと思うのですが、せっかく外で学んできたことを、身近なところで活かしきれていないように思うのです。
どうやら、先生方の横のつながりが弱そうです。

先生は「クラスのみんなとは仲良くしましょう」と言いますが、果たして職員室の中のコミュニケーションはどうでしょう。

今、急激に教員の年齢構成が若返っています。
世代間で、様々に考え方や感じ方の違いがあることを、とくに管理職の先生方には理解してほしいと思います。


・学び続けよう

教育業界では、よく「指導」という言葉が使われます。
業界用語的に使われるので、先生方は何のためらいもなく使われますが、私はこの言葉には違和感を感じています。

人を導く、ということは、人間性が問われる行為だと思っています。
相手が子どもだから、「先生」という立場だから、あなたの話を聞いてくれるのであって、あなたの人間性を認めてもらっているわけではないかもしれないのです。

先生は子どもたちにいろいろな指導をしますね。「本を読みなさい」「ノートは丁寧な字で書きなさい」「時間を守りなさい」…先生、それできてますか?

大人は、わが身を振り返る謙虚さを持ちたいですし、「学び続ける姿勢」を背中で示せるようになりたいものですね。