鈴木ゼミ卒業研究中間のまとめ その2
- 公開日
- 2020/10/14
- 更新日
- 2020/10/14
ゼミ関係2019年度
鈴木ゼミ4年生卒業研究の中間のまとめの概要を紹介します。
<Tさん(写真左)の卒業研究の概要>
◇テーマ
障がいのある子の数概念の実態〜「数唱」「保存」「計数」の視点をあてて〜
◇概要
授業ボランティアとして、特別支援学級の児童の算数の授業補助をした経験から、児童の数概念の状況をふまえて、教材の工夫などを行う必要性を感じ、実際に抽出児童の数概念の状況を実験により調査しました。大学の講義(「数概念の形成」)で学修したことを踏まえ、数唱、計数、保存の概念について、さまざまな視点で実験を工夫し、調査しました。
その結果、大きさ、ものの位置といった状況に左右されてしまうことが明らかになり、またその傾向は、数より長さに顕著であることが示されました。また、1対1対応を引き出す教具の有効性を検証しました。
<Kさん(写真右)の卒業研究の概要>
◇算数「割合」における児童の困難点の実態と分析〜問題文と線分図・関係図に着目して〜
◇概要
児童の割合の概念形成について、その困難点を先行研究(金井(2002)、松下(1997))の知見に依拠し、整理しました。困難点として、問題文と線分図の理解に焦点をあてて、教科書による問題文の記述、線分図の扱いを年代別に分析しました。また、割合の3用法の理解、線分図、関係図の定着状況について、県内の3小学校(4学級、128名)を抽出し、調査問題による分析を行いました。そこでは、解答の正解と線分図、関係図の関連を統計的に分析しました。その結果、児童の方略として、線分図より関係図を用いて解決を図っている状況が有意に認められました。