学校日記メニュー

写真5

学校日記

鈴木ゼミ卒業論文完成!その1

公開日
2020/12/15
更新日
2020/12/15

ゼミ関係2019年度

 12月14日、2019年度鈴木ゼミ4名の卒業論文が完成しました。
完成した卒業論文の概要をお知らせします。

<Mさんの卒業論文>
テーマ:算数における相互作用を生むペア対話の分析〜「相補型」と「併存型」に着目して〜

概要:算数におけるペア対話のあり方を研究しました。先行研究(清水,三宅,鈴木,遠山・白水など)からの知見を整理し、よいペア対話は相互作用が生起され、二人の児童の理解深化が図られるという研究仮説をたてて、遠山・白水の対話分析方法を援用し、実際に学校現場に出向てペア学習の様子をVTRに収録し、発話分析を行いました。
 その結果、よいペア対話の特徴として相補型が認められ, 2人の理解深化が図られるには,互いに考えを述べながら,相手に疑問を発したり批判したりする発話をする傾向が認められました。このことを踏まえ,ペア対話において,話す相手を交代する回数を多くさせること,自分の考えを言わせること,相手に質問させることに留意させて指導したらよいという示唆を導きました。

<Nさんの卒業研究>
テーマ:算数「割合」における児童の困難点の実態と分析〜問題文と線分図・関係図に着目して〜

概要:割合学習の困難点を実態をふまえ詳細に分析しました。先行研究(金井,松下,大山など)から、割合学習の困難点として、問題文の構造、第1用法と第3用法の理解の難しさを明らかにしました。問題文の構造について、平成3年から現在までの教科書(5年割合)の記述を分析しました。その結果、問題文に指示語が使われているために基準量と比較量の同定が難しいことや、教科書によっては、割合の方略として、線分図があり,その理解が難しいと考察しました。これらのことをふまえ、実際の学校現場において、割合の定着がどうか調査問題を作成し,調査し、統計的手法を用いて分析をしました。
 その結果、第1用法と第3用法が難しいことが有意に認められ,先行研究の知見と一致しました。また、線分図の困難点は,1本の線に数量と割合の2要素を書き入れるものであり,線分図を記入する問題の解答状況を分析したところ,線分図を理解できていない傾向が有意に認められました。意識調査からも線分図を難しいとしている児童の割合が多く,線分図の理解が困難点になっていることが認められました。
 さらに、割合の方略については,解答が正解する場合は関係図が正しくできており,それは線分図の場合よりも有意に強い傾向にあることは認めれて,このことから割合の方略は線分図より関係図が有効であるのではないかと考察しました。