鈴木ゼミ卒業論文完成!その2
- 公開日
- 2020/12/15
- 更新日
- 2020/12/15
ゼミ関係2019年度
12月14日、鈴木ゼミ(4名)は卒業論文を完成させました。下の論文の概要を紹介します。
<Yさんの卒業論文>
テーマ:「前転」におけるつまずきの実態と分析〜6年生の実態を中心に〜
概要:小学校体育における器械運動として、基本となる前転について、つまずきの実態を調査し原因を考察しました。先行研究(小柳,松本,峰岸など)から、前転のつまずきを整理してつまずきリストを作成したり、指導方法を整理しました。作成したつまずきリストに基づいて、実際に学校現場に出向いて前転の状況をVTRに収録し、つまずきの出現頻度を調べ、統計的分析を行いました。その結果、膝が曲がる,ふり下げが遅い,マットを蹴れないというつまずきが有意に多い傾向であることが認められました。
そこで、膝の状態に着目して再度分析をしたところ、膝が伸びている児童はつまずきが少なく良い動きをしていることが認められました。そこで,膝が伸びている児童と膝が曲がっている児童を再度VTRで見比べたところ,違いは着手時のお尻の高さであり、着手時にお尻の位置が低くなってしまうと,体が縮まってしまい,小さな動きになり,重心が低く起き上がる際に後ろになってしまうため,うまく起き上がることができないと考察しました。この考察から、着手時にお尻の位置が高いと膝が伸びて大きく回ることができるので、指導のポイントとして、着手時にお尻の位置を高くするようにさせれば他のつまずきも減ってくるのではないかと考察しました。
<Tさんの卒業研究>
テーマ:障がいのある児童の数概念の実態〜「計数」「保存」「数唱」他に視点をあてて〜
概要:障がいのある児童に算数を指導する際に、数の概念をどのように身に付けているのか実態を踏まえた上で、適切な指導方法を用いることが必要であるという問題意識をもって,児童の数概念を調査し、指導方法を考察しました。先行研究(吉田,ゲルマン・ガリステルなど)から数唱、保存、計数の概念の知見を得て、数唱、保存、計数についての調査問題を自作し、調査(実験)を行い、発話や行動などから解釈的分析を行いました。
その結果、計数については重複が見られ、5個以上の場合につまずく可能性が認められました。保存については同数の場合でも、物の大きさが大きい方を多いとしてしまうつまずきが認められ、同数の場合でもかたまりにして提示すると、かたまりとなった方を多いとする傾向が認めれました。数唱については、1から始まらない場合につまずきが認められました。また、指導方法として、計数においてステイストローを使った指導方法(梅田,2016)の効果が認められました。