研究会日記

【フォーラム2017】午前の部・テーマ3

公開日
2017/02/28
更新日
2017/02/28

活動記録

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テーマ3:校務情報を学校経営の手助けに

そもそも「校務」とは、学校で行われるすべての業務が含まれる、というほど広義的に捉えられているものであり、そこで扱われる情報(データ)は膨大なものになります。

教職員が扱う業務には、教員が扱うもの、管理職が扱うもの、事務職員が扱うものなど、職種別のものや、さらに全員が扱うものなど多岐にわたっています。

これらがすべて「校務情報」となるわけですが、この膨大なデータが現場で十分に活用されていないことはもったいない、なんとかできないものかという課題意識から、テーマの1つとして考えてみることにしました。


せっかく集めた情報を有効に活用できるといいよね、という発想で始まったテーマの検討でしたが、具体的な提案にするまでは困難を極めました。

というのも、実際の現場はとにかく業務をこなすだけで精一杯で、その先を考える余裕がありません。
ですから、現場で無理なく受け入れてもらえて、ちょっと考えてみようかなと思ってもらえるような提案にする必要がありました。

そこで、キーワードを3つに絞り、「何ができるようになるのか」という観点で検討して、それがどのように現場に役立つのかを提示したいと考えました。

キーワード
・情報の一元管理
・いいとこみつけ
・ビッグデータ

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それぞれのキーワードで、具体的な事例をあげて、現状の課題から、活用することで生まれる可能性について発表しました。

「情報の一元化」では、たくさん集まった情報を「良いこと」も「悪いこと」も一元管理するとよいのではないか、という提案に対し、個人情報に関してセンシティブな情報の扱いには留意しなければならないので、なんでもかんでも一元化というわけにはいかないだろう、という学校現場の声が紹介されました。

このことは、今、学校に強くコンプライアンスが求められている時代であることから当然出てくる問題です。今後も検討していく必要がありますね。

しかし子どもによりよい教育をするという視点から考えると、情報が一元化されることには大きなメリットがある、と特別支援担当からの指摘や、研究者からも、学校経営に必要な情報を見極めて、それを集約することの重要性が指摘されました。


「いいとこみつけ」では、学校全体で取り組んでいる地域で効果を生んでいる事例の発表がありました。

しかし良い効果が出ていることはわかるのだが、取り組むには教員の負担が大きくならないかという問題提起がされました。

校務情報システムに「いいとこみつけ」を導入したEDUCOMでは、入力の負担を軽減するためのさまざまな工夫をシステムに盛り込んでおり、選択するだけで済むような簡単な操作で入力ができるようになっています。

もちろん詳細な記述もできるようになっており、複数の教員が情報を共有できることのメリットにも配慮された仕様になっている、ということが紹介されました。


「ビッグデータ」については、マスコミなどで発表されるさまざまなデータが、自校の実態に合っているかどうかの検証が必要なのではないか、ビッグデータに頼るだけでは実態を見誤る可能性があるという問題提起がありました。

研究者から、データの見た目にとらわれていては有効な活用はできない。
学校経営の根拠とできるように、データを分析することや、それを学校経営につなげるための知識や知恵を磨くことが必要だという指摘がありました。

学校にも説明責任が求められるようになってきます。

正しく伝え、正しく理解してもらうためにも、データを根拠に説明することは有効ですから、ビッグデータと実態に合わせたスモールデータ(自校のデータ)を適切につなげる知恵を持てるといいですね。