0511 道徳の授業
- 公開日
- 2023/05/11
- 更新日
- 2023/05/11
お知らせ
昨日、3年生の道徳を参観しました。この日は、利尻島教育研究会の活動日で、道徳を研究する他校の先生にも観ていただきました。
テーマは「SNSの怖さ」。なぜ怖いか尋ねると「個人情報、相手のこと(気持ち)、残る、世界とつながる、言葉が伝わりにくい、取り消せない」と出ました。
課題は『「行き違い」からいじめについて考えよう』と先生は立てました。教科書の内容は以下の通り。
(内容)ちょっとした行き違いで、主人公ひかるは、相手(沙樹)から冷たくされたことを本人がいないSNSに載せた。すぐに同調する意見があがった。
翌日、沙樹はまわりから無視され、本人は涙ぐんでいた。ひかるが家に帰ると、SNSには自分を非難する書き込みがあり「冷たくされたの私だし!」と反論を書き込む。
その後、スマホを茶の間に置き忘れ、母がSNSの画面通知を偶然見て投稿を確認する。「これはいじめだ!」と、母は涙ながらにひかるを問い詰める。ひかるは母からスマホを取り上げ、自分の部屋に潜り込む。
部屋にこもり、これまでのやりとりを思い返し、翌朝、ひかるは朝早く学校に向かう。
3年生と担任の先生のやりとりが始まりました。
(設問1)ひかるはどのような気持ちで「冷たくされたの私だし」と書き込んだのか。
(生徒の考え)自分がいちばん大切、自分中心、被害者は私なのに、私は悪くない。
【様子】ここで先生はForms(オンライン集計ソフト)を使い、「ひかるは、いじめをしていると自覚がどれくらいあるか」を、生徒達一人一人が5段階で投票させます。1回目の結果は「1(全く自覚はない)」が多く、その中で「少し自覚してる」という少数意見を書いた生徒にも、意見を発表させました。
(設問2)ひかるは次の日、家を出るまでにどんなことを考えたのか。
(1)母から「これはいじめだ」と言われたとき
(生徒の考え)・私のせいで… ・認めたくない ・意味が分からない ・いじめじゃない。
(2)母からスマホを取り上げ、自分の部屋に駆け込んだとき
(生徒の考え)・人のスマホ勝手に見ないで ・否定されていらだつ ・自分のせいじゃない
【様子】3年生は、自分が想像したことを何とか言葉に表そうと、黒板と教科書を見返して、自分の考えを書きました。となりの人と交流し、考えが合うとホッとし、違う考えはよく聞こうとしていました。「あっ、わかった!」と補足していました。主体的に考え、対話で広げ、自分にない考えを理解しようとしていました。
(3)翌朝、自分から「行ってきます」といって早めに出かけたとき
(生徒の考え)・あやまらなきゃ ・反省 ・きちんと沙樹に話そう(自分が悪かったら謝ろう)
(設問3)ひかるの気持ちを変化させたもの(こと)とは、一体何だろう?
(生徒の答え)・母の力 ・言葉で気付かされた ・夢 ・汗 ・冷静 ・同情
【様子】ここでもう1度、Formsで集計を取ると、「5.自覚している」の値は高くなっていました。
最後に(設問4)いじめをしないために、あなたはどれをいちばん大切にしていきたいですか、を生徒に記入させて授業は終わりました。
3年生は、自分で考え、多様な考えを受け止め、最後は自分のこととして、道徳的価値を考えることができたようです。