学校日記

1109 利尻島中高の先生が集う研究会(文追加)

公開日
2023/11/10
更新日
2023/11/10

お知らせ

 今日は午前授業となり、午後から「利尻島中・高研究協議会」に参加しました。
 この研究会は、(1)島内3つの中学校と利尻高校の情報交流で、互いに理解を深める。(2)中高の連携で子どもたちの指導に活かす、という2つの目的で、年に1回開催しています。
 今年から会場を利尻高校に固定し、授業参観とグループ協議を行いました。

 授業参観は、1ーAの英語コミュニケーションで2グループに分かれ、スライド発表やテキスト読解の授業。1−Bは簿記では、決算整理で貸し倒れを防ぐ内容。2ーAの論理国語は題材を読んで、内容を突き詰めていく授業。2−Bの家庭科は、視覚障害者の日常を体験し支援と環境をどう整えるか考える授業。3年生はA組・B組合同の芸術で、書道と音楽に分かれ、音楽は遠隔授業センター(T-base)からの配信で琴を弾く授業でした。

 授業を見て感じたのは、生徒達のレベルに合わせて、ICTの利活用やアクティブラーニングを活かした授業をうまく展開していること。少しずつ、生徒達に考えさせ主体的に動く授業へ変わりつつあること。 例えば、視覚的にわかりやすくスライドを用意して、以前学んだ内容や目標を捉えさせていること、調べた内容を英文にしてスライドつくり、完璧な英語でなくても、カッコ良く発表させて意欲を引き出していること、先生の問いかけに隣同士で交流して自分の学びを深める様子がありました。オンライン授業でもしっかり集中して、画面の向こうのT-baseの先生に自分の気持ちを伝えていました。

 学習指導案もしっかり準備され、高校で導入されたばかりの観点別評価もしっかり取り組まれていました。

 利尻中の卒業生もいますので、大きな責任と期待を感じます。もっと高校の先生方にも中学校に来てもらい、中学校の授業を見せて、令和の授業、ICT活用の実態を伝えていく必要性を感じました。


 学校の研究発表では、進路指導について発表がありました。
 進路指導は、将来に活きて働く力を付けるために「キャリア教育(人生設計、自己目標など)」を充実させること。幅広い視野と確かな情報を伝える必要があること。ふるさと学習を通して、地域への愛着を育み、地域の課題に取り組んで探究心と達成感を養うこと、等が報告がありました。
 聞いていて、(1)利尻のまちづくりを担う人材育成のよい実践が多いこと。(2)中学校の総合的な学習の内容を伝え、高校との内容の一貫性や継続性もはかれるといいな、と思いました。

 その後、小グループになり、利尻の生徒達の将来に繋がる学びを続けるために、ICTの利活用の課題、放課後学習支援の課題、商業科の募集停止による影響、小中で使っている安心安全メールを初めて知ったこと、部活の地域移行、タブレットの使用ルールや近隣高とのオンライン授業など、いろいろ情報交換をしました。

 校長先生からは「他の会議で(1学年1クラス校が増える中)道立高校は道立高校でなくていい、と言われた。島の子がほぼ100%入学することから、6歳〜18歳まで安心して学べる連携を」と挨拶がありました。また、最後の言葉では「課題は伸びしろである。課題に対して自分がどう関わるかの当事者意識を持つこと。その課題の本質は何かを見極めること。眼の前の子どもたちの成長につながる実践にプライドを持って取り組めるかどうか。」と檄(げき)をもらいました。中学校・高校の先生双方に、とても響く言葉でした。

 利尻高校のみなさん、貴重な学びの機会を作っていただき、本当にありがとうございました。