0829 1年家庭科「着色料抽出実験」
- 公開日
- 2023/08/29
- 更新日
- 2023/08/29
お知らせ
今日の家庭科は、食物の分野で「食品添加物」に関する学習をしました。
当校の家庭科担当教諭は、教科主免(家庭科の教員免許を所持する教諭)ではないので、外部講師をうまく取り入れて授業を行っています。
今回の講師は、北海道立消費生活センター&北海道消費者協会の大島先生。学習のテーマは「実験を通し、お菓子やジュースに入っている着色料について考えよう」です。Zoomでの授業は初めてなので、生徒達の様子が分かるよう、ビデオカメラをつないで始まりました。
最初は食品添加物についての学習。お店で売っている食品には、どんな添加物が入っているか。アイス(乳化剤)、おにぎり(ph調整剤)、レモン(防かび剤)、ラーメン(かんすい)やパン(イーストフード)、豆腐(にがり)はそれぞれ食品の見栄えを良くする、保存期間を高める働きがあることを学びました。
2つ目は、添加物の中でわかりやすい「着色料」の実験をしました。粉ジュース(昭和世代には懐かしい)か鮮やか色のチョコレートを1つ選び、ビーカーにその色を溶かしました。もう1つは100%オレンジジュースをビーカーに入れました。その色水にウールの毛糸を入れ、染まりやすいように酢酸を入れて湯煎して染めてみました。
結果は、粉ジュースやチョコレード菓子の色は、ウールの毛糸が鮮やかに染まり、ビーカーの水が透明に戻りました(色素が毛糸に全て移った。でもその水はジュースの匂いがある)。オレンジジュースの色は毛糸には染まりませんでした。
毛糸を染めたのは「合成着色料」で、簡単に色を付けられる。毛糸を染めないのは「天然着色料」(本来の色)は、なかなか色を付けづらいことが分かりました。
別の色素も学びました。シャーレ(入れ物)に入っているつぶつぶを溶かすと、赤色の液体になりました。酢酸を入れ酸性にするとオレンジ色、アンモニアを入れてアルカリ性にすると紫色に変わりました。これは「コチニール色素」という虫(カイガラムシ、エンジ虫)から取れる動物系の天然色素で、炭酸飲料やハムなどに使われていることも紹介されました。
以上を踏まえ、「天然着色料がいいか、合成着色料でもいいか」の先生の質問に、1年生は正直迷っているようでした。”体に良くないことは分かっていても、普段好きな食べ物が食べられないのは…?!”という顔。
大島先生からのアドバイスは、「色素には健康に害がない量が決まっているので安心してほしい。でも、後になって健康被害が分かり使用禁止となる色素もある。同様に添加物がない食生活もとても難しいので、商品の裏ラベルをよく見て買ってほしい」とのこと。
最後におもしろい例を教えてくれました。4種類のコーラです。「普通のコーラ、ダイエットコーラ、食物繊維が入ったコーラ、着色料なしのコーラ」。これは消費者の要望があってコーラメーカーが作ったもの。消費者の声があれば、体にいい飲み物もできる。なので、しっかりと選んで食品を買ってほしいとのことでした。
とても深い勉強になりました。大島先生、ありがとうございました。