1025 町P連 教育講演会
- 公開日
- 2023/10/26
- 更新日
- 2023/10/26
お知らせ
昨日は、町PTA連合会の教育講演会があり、利中から6人の先生、4人の保護者に参加いただきました。
講師は、コミスク学習会に続いての柳 憲一先生。地域の子どもたちをどう育てるか、学校に行きたくない子どもたちをどう支えていくか、について、ずっと向き合ってきた先生です。
講演のタイトルが「子育ては子育ち〜子どもの声を聴きながら、のんびりと〜」とあり、最初は自分自身も見通しが持てませんでした。
大きく6点のお話を聞きました。
(1)学校っておもしろいところ?〜鉄棒で前回りができるようになった顔。お腹も赤くなるぐらい何回も回って、できることの喜びを噛みしめる姿。分からないことが分かるようになった笑顔。「できる・分かる」がおもしろい、子どもにとっては素敵であり喜びであること。
漢字の面白さの例。「欠」という漢字は「あくび」と読み、人が上を向いてあくびをする様子から出来た漢字。あくびをするように流し込むから「欠」に「食」が付いて「飲む」になったこと。このように漢字のルールをたどると、ストンと理解できておもしろい。算数も、分数同士の割り算が、なぜ「×逆数」になるのか、小学生に説明できるように先生も勉強する。その苦労が、子どもたちの「わかった!」になったとき、先生も勉強したやりがいに繋がる。学ぶっておもしろい。
(2)不登校が道で1万2千人を超えること。学校に登校できても、別室で授業で受けている子も多くいる。自分が出せる場所、安心していられる場所を求めている子がいること。毎日休んでいる子が、自分の「机・椅子」が学級になかったことを知ったとき、本当につらかった。居場所を求めている子にとって、よりどころになる場所がある、戻ってこられる場所があることは、何よりの救いになる。
(3)今の子どもたちはどんな思いをもって生きているんだろう。〜
(中学生)「学校ってどう?」−「別に」「普通」「行事は楽しいかな」。「学校で何が楽しい?」−「部活!」、「なぜ?」−「勝つためもあるけど、チームメイト、先輩・後輩と一緒に活動するのが楽しい」「友だちと話をすること」。
(小学生)「休み時間になるとみんなと遊べるし、勉強がみんなでできるから楽しい」「友だち関係。好きな人もいるけど嫌な人も多い」「話し合いの時、自分のペースに持って行く人が嫌!こっちが嫌って気持ちを抑えているのに気付いてほしいな」。「先生ってどう?」−「若い先生はカチカチしていて嫌。」「ベテランの先生になるほど、ユルくてよいかも」「でも、先生によって、言ってることがバラバラなのも困る」
子どもたちは、自分の思いを話せてスッキリした様子。
子どもの声を聴かせてもらうって結構楽しい。先生方の役割は、子どもたちの言葉を繋ぐ、思いを知る。俗に言う「子どもに寄り添う」とはそういうこと。学校だけで面倒がみられないときは、保護者や地域の力を借りる。それが、枝幸小学校で「学校支援地域本部」を作ったきっかけ。
(4)「あそぶ、のんびりする」は、子どもの主食
遊んでいるときは、熱中、何も考えていない、自分たちでルールを考えてやれる、みんなと仲良くなれる、自分たちでできる。
安心してしゃべれる時間や空間がある。何もしない時間も保障されること。自己決定する時間が大切。
(5)一人一人の子どもは、自分の思いを聴いてもらう権利を持っている。〜 「子どもの権利条約」を日本は批准(ひじゅん:国が条約に締結し、国内で承認すること)している。この条約は読み解くことが必要で、基本は「子どもには、意見を聞かれ、かつ真剣に受け止めてもらえる権利がある」ということ。子どもは休まないと壊れる。しっかり寝ると壊れない。何がしたい?と聴き励ます。子どもには何かをしでかしたい意欲がある。それを応援していく。俺たちやったんだという自信を持たせる。それが大事にされたという認識になる。
(6)子どもの声を聴こう(学校でも、地域社会でも、家庭でも)〜わがままなことでも意見表明として認めてあげよう。非言語的コミュニケーションを理解し、尊重してあげよう。子どもが何を感じて、何を思い浮かべて、何を学んでいるのかを丁寧に触れさせてもらうこと。大人が遠くから、近くから支えることが大事。
タイトルの「子育ては子育ち〜子どもの声を聴きながら、のんびりと〜」の視点が、なんとなく分かった気がします。
変化の早い中、育てづらく、暮らしづらくなっている世の中ですが、その中でもしっかり子どもたちの声を聴きながら、子育てや教育をしていきたいと思いました。
(本日、柳 憲一先生が利尻中の授業を見学に来られました。理科の授業で生徒達が学ぶ様子、子どもらしさが伝わる校内の掲示物に、微笑みながらご覧いただきました。)