【西尾市教育委員会】豊かな心をもち、共によりよく生きようとする子供を育てる道徳教育
- 公開日
- 2025/11/19
- 更新日
- 2025/11/19
道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)
◎西尾市教育研究会・道徳部会の令和7年度の授業研究から
中学校1年「命の大切さに違いはあるのか」(「ある犬のおはなし」:トゥーヴァージンズ 内容項目D生命の尊さ)の授業を公開し、その後、協議会をもちました。協議会では、「絵本を取り入れたことは、生徒の情操を育み、主体的・対話的な関わりをつくるために有効であったか」「『深まりの一手』は生徒の思考を深め、ねらいに迫るために有効であったか」という視点をもとに協議されました。
<協議会での主な意見>
・教材として絵本を採用したことにより、絵本の世界観に浸り涙ぐむ生徒もいた。教室の中央を空け、生徒を集めて読み聞かせを行ったが、席に戻る際に絵本の世界観への没入感が薄れてしまったのではないか。
・絵本の挿絵を板書で利用したことは、犬の立場になって考える際に、生徒の支援として効果的になり話合いや発言が活発になることにつながった。
・教師の「深まりの一手」は、生徒の思考を深め、ねらいに迫るために有効であった。教師の発問から、「人も犬も同じように命は大切である」という考えや「人の命の方が大切だろう」という素直な意見が挙がり、生徒の心が揺さぶられる場面をつくることができた。
<講師の指導も含めたまとめ>
・教材として絵本を採用する場合は、その内容や絵のタッチなどから適正を判断するとよい。現実的でない話は、生徒の思考や絵本への没入感の妨げになる可能性がある。
・主体的・対話的な学びのある授業を実現するためには、「書き言葉」ではなく、「話し言葉」でつくりあげる授業が求められる。その際、ペアトークやグループトークで生まれる「カフェ的談話」を適宜活用したり、教師の意見を聴く姿勢やレスポンスを工夫したりすることも有効である。