モラルBOX日記

【南知多町立篠島中】支え合うということ

公開日
2015/08/24
更新日
2015/08/24

ちょっといい話

 本校は全校生徒48名という小さな学校です。部活動は三つしかなく、どの部活動も人数がぎりぎりの状態で日々の練習や試合に臨んでいます。今年の4月、部員数は6名(2,3年生)という状況でした。春の地区大会も棄権せざるを得ませんでした。なんとか試合ができるよう、1年生の入部に期待したところ、6人の入部希望があり、総勢12人となりました。もちろん初心者が多いですが、それよりも「試合ができる喜び」の方が彼らには大きかったようです。
 12人全員で迎えた夏の地区大会。エースで主将の3年生が思うようなピッチングができませんでした。味方のエラーもあり、見る見るうちに点を奪われていきます。いつもならチームメイトのミスに厳しい主将もこの日は違いました。「俺、頑張って投げ切るから、みんな頑張って守ってね!1年生も思い切ってやるんだぞ!」という言葉を攻守交代時のベンチで大きな声で言ったのです。
 試合は惜しくも負けてしまいましたが、2人しかいない3年生たちの表情は晴れやかでした。試合後、主将からベンチでの発言はどういう気持ちから出たのかについて話を聞きました。すると、「最後の大会だから悔いは残したくないし、何よりこの12人でできる最後の野球だから。今までの時間を無駄にしたくないと思ったら不思議とみんなを励ましてた。」という言葉が返ってきました。
 人数が少なく、初心者ばかりの野球部で苦しい思いもしてきた3年生。そんな3年生が最後に「チームとはどうあるべきか」「主将としてあるべき姿」を教えてくれた、素敵な夏の暑い一日でした。