モラルBOX日記

【みよし市教育委員会学校教育課】<<3月>「見せる課〜みよし市 希望のいちごプロジェクト」

公開日
2013/03/26
更新日
2013/03/26

県教委・市町村教委の取組(利用しない)

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 東日本大震災から2年が経過しました。震災直後は、多くの義援金が寄せられたり、たくさんのボランティアが東北の地を訪れたりしていましたが、今ではかなり少なくなったようです。また、被災地のニーズも変化しているようです。時間が経つにつれて、少しずつ震災の記憶が薄れているように思います。
 しかし、一方では未だ応急仮設住宅での生活を余儀なくされている方もみえますし、ふるさとに戻ることができない方もみえます。原発の問題についてもまだまだ不確実で、まだまだ復興したとは言い切れない状況です。そんな状況の中、みよし市からも復興支援事業の一環で、何人かの職員が短期、中期、長期の別で東北の地に赴いています。
 そのうちの一人に、横田竜一という若者がいます。彼は福島県いわき市の農政水産課に配属されました。いわき市は、米や果物に代表される農産地であり、秋刀魚やかつおの水揚げで有名な小名浜港を抱えています。しかし、横田さんの話によると、そのいわき市の農作物や魚が売れなかったり、通常の1、2割減の価格で取り扱われる状況があるそうです。このような原発事故による風評被害に対して、いわき市は平成23年度より「いわき見える化プロジェクト」を推進。農業者と行政、関係機関、団体が手を取り合い、農作物の安全を一方的に語るのではなく、食の安全・安心を消費者自らに判断してもらおうと、農産物や農地、水道水、大気中の放射線量等のモニタリング検査の結果を公表し、いわきの農業者のリアルな声などを伝えてきました。さらに、横田さんが出向した平成24年度の10月1日からは、農政水産課に加え、水産振興室、農業振興課、林務課、観光物産課の四課一室からなる職員22名の部局横断のプロジェクトチーム「見せる課」を設置し、対象を農産物だけでなく、水産物や観光まで広げました。モニタリング検査の結果の公表に加え、流通関係者や消費者を対象とした産地を訪問する「見せる課バスツアー」の開催やPRイベントなど、いわき市の魅力や復興への取組みを伝え、更なる情報の発信力強化に努めています。
 今回、この取組の一環として、横田さんから「いわきのいちごの苗をみよしで育てませんか」というお話がみよし市教育委員会に飛び込んできました。
 そこで、市内小中学校に希望をとり、10校にいちごの苗を配布することにしました。これが「見せる課〜みよし市 希望のいちごプロジェクト」です。
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「見せる課〜みよし市 希望のいちごプロジェクト」
1 目的
(1)東日本大震災の復興支援の一環で、本市より横田竜一氏が出向しているいわき市から届いたイチゴの苗を育てる。
(2)イチゴの栽培を通して、東日本大震災及びその復興に児童生徒の関心を高める。
(3)イチゴの栽培を通して、小中学生が被災地の復興支援について自分たちのできることを考えるきっかけとする。
2 みよし市への苗の到着日時と受け渡し
(1)日時  平成25年3月11日(月)シルバー人材センター午前6時30分
(2)苗数  プランター150個(1プランターにつき2株)
3 苗の配付校 市内小中学校10校
4 贈呈式について(みよし市立中部小学校の場合)
(1)日 時  平成25年3月11日(月)午前8時55分〜午前9時30分
(2)場 所  みよし市立中部小学校 体育館
(3)参加者  中部小学校全校児童及び全教職員
        福島県いわき市農政水産課(見せる課)主事 横田竜一
        みよし市学校教育課 指導主事 奥村幸司
(4)日 程
7:30  ・苗到着(校務主任)
8:00  ・打合せ、贈呈式準備(四役)体育館で
     会場準備(教務主任・校務主任)
報道機関との対応(教頭)
    ・市広報課・中日新聞・毎日新聞・新三河タイムス・ひまわりネットワーク
8:30  ・園芸委員会児童体育館集合
8:40  ・児童体育館入場
<贈呈式>:司会・進行:園芸委員        
8:55  ・はじめのことば(園芸副委員長)
    ・校長先生のお話
9:00  ・福島県いわき市の横田さんの紹介(奥村主事)
9:03  ・横田さんのお話(横田さん)
9:20  ・イチゴの苗の贈呈(横田さん→代表児童)
9:25  ・児童代表の言葉(園芸委員長)
    ・おわりのことば(園芸委員5年代表)
9:30  プランターの移動(園芸委員、校務主任)

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 【児童Aの感想】
 今日は、イチゴやいわき市のことを教えてくださり、ありがとうございました。
 イチゴや野菜に放射能があると思うとたしかに、これだいじょうぶかなと思ってしまいます。でも、今日の会をとおして、そんな心配ないんだなと安心することができました。
 農業をする人たちがみんなで協力して、助けあっていることに感動しました。
私は、インターネットで「見せます!いわき」を見てみようと思います。いわき市のことをもっともっと知っていき、それをたくさんの人に知ってもらいたいと思いました。イチゴをいっしょうけんめい育てて、いわき市のことをもっと知ってもらいたいと思いました。
 【児童Bの感想】
 横田さんの話をきいて、福島県産の果物や野菜や米は、検査を合格した安全な食べ物だと、友達や家族、大人の人に伝えていきたいです。イチゴの水やりや収穫を忘れずにやっていきたいです。
 【児童Cの感想】
 今日は、遠い所から来てくれてありがとうございました。私は、トマト、イチゴ、ネギ、ナシ、米を生産していると聞いて、また、スーパーとかに行ったときに、福島県いわき市のトマト、イチゴ、ネギ、ナシ、米があるか見て、あったら、食べてみたいです。そして、「おいしい」とたくさんの人に伝えたいです。
私は、来年6年生です。だから、イチゴのなえを大切に育てて、育ったイチゴを食べたいです。毎日、水をしっかりあげ、イチゴのために工夫をしたりしたいです。
【校務主任から横田さんにあてた手紙から】
 プロジェクターを使っての「見せる課」の取組の紹介で、いわき市の人々のがんばり、熱意が伝わってきました。また、風評被害のひどさ、目に見えない怖さに負けることなく、何とかしてそれを払拭したいと目に見える形にして、安心を得ようというすばらしいアイディアで努力されていることがとてもよく分かりました。福島県からの生の声を聞かせていただけたことがよかったです。いわき市のみなさんが智恵を出し合い、汗を流して頑張っていらっしゃる姿を思いながら聞きました。横田さんの言葉の中に「復興はまだこれから」という言葉、どきっとしました。だんだん関心が薄れていくようではだめですね。
 今、自分にできることは何か考え、園芸委員会の子と話しました。贈呈式で聞いた話を家の人に伝えること、買い物に行ったときに福島県産の物を探してみること、いわき市について調べることをしてみたい、そんな感想が出てきました。今後、イチゴの苗は子どもたちにも来校者にもよく見える玄関前に置き、園芸委員会で水やりをしていきます。しばらくこのままで、もう少ししたら大きめのプランターに植えかえてみようと思っています。
 4月以降、園芸委員だけでなく、新6年生が総合学習などで福島県やいわき市について調べて何かつながりができたら、と思っています。来年度の6年担任が決まったら、相談していくつもりです。また、私は、PTA活動の手伝いもしています。PTAにも相談をかけていきます。「農産品通信」を校内に掲示し、子どもたちに見てもらうことも、福島への関心を高められそうと思いました。
 「もし、愛知でも地震があったら、すぐ野菜をもってかけつけるから」とおしゃってくださるいわき市の方に心を打たれました。“見せます!いわき”「見せる課〜みよし市 希望のイチゴプロジェクト」が実り多いものになるよう、微力ですが、お手伝いさせていただけたらと思います。これからもよろしくお願いします。
【新聞記事を読んだ保護者からの意見】
 3月12日の中日新聞に福島のいちごを中部小の子どもたちが育てる記事が載っていました。とても素敵なことだと思います。震災から2年。募金や東北地方の物産をネットで買ったりぐらいしかできません。具体的に子どもたちが動いていけて、東北のことを思い出しながら大切に育ててほしいです。
 見せる課のHP見ました。とても具体的に農作物や水産物の情報がまとまっていてわかりやすいです。私たち親もTV等の情報で不安になったりすることなく、正しい情報を手に入れ判断すること、理解することが、まずは復興の足がかりになるのではと思いました。
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 被災地の生の声を聞いて、子どもたちが、教師が、保護者が、震災について再び、思いを馳せています。風評被害にさらされていてかわいそうだなと思うだけはなく、逆境に対して知恵を絞って立ち向かってみえるいわき市の方の姿に感銘を受け、事実は何か、できることは何かを考え、自分たちで正しい情報をつかもうとし、その先へと行動に移そうとしています。今回のプロジェクトが道徳的実践力につながることを期待してやみません。
これからも学校や先生方への提案を工夫して、児童生徒の道徳的実践力の高まりへつながるよう知恵を絞っていきます。
(文責 みよし市教育委員会 学校教育課 指導主事奥村幸司)