モラルBOX日記

【西尾市立西尾中】生徒の手で育まれる西中プライド

公開日
2015/11/12
更新日
2015/11/12

ちょっといい話

 最高の秋晴れの中で行われた体育大会。「優勝」という目標のために、生徒たちは各競技に全力を尽くし、仲間に精一杯のエールを送る。そして、なんと言っても応援合戦。この応援合戦のために多くの時間を費やし、生徒たちにとって最も手にしたい栄冠。初めての応援合戦を経験する1年生の演技から始まり、昨年度より大幅にレベルアップした姿を見せる2年生へと続いた。ラストを飾る最高学年の姿は圧巻だった。最後のクラスの演技を終えた瞬間には、「どのクラスが勝つのだろう」という気持ちは薄れ、全てのクラスに感動すら覚え、賞賛の気持ちを伝えたい気分に浸っていた。その時。「ちょっと待った!」応援合戦終了のアナウンスが入る隙間を与えず、応援団長会長の声が響いた。あっけにとられる教師集団と観客席。そんな大人たちを尻目に、生徒たちは「全校西中エール」をやってのけた。さっき自分たちのクラスの演技を終えたばかりなのに、全校西中エールには優勝もなにもかかっていないのに…。それでも生徒たちは変わらない。クラスの演技と同じだけ力を注いでいた。言葉は何もいらない。ただただ拍手を贈るだけだった。
 迎えた閉会式。各種目の結果が発表され、グラウンドにはさまざまな気持ちが交錯する。そんな中で、運動専門委員長の澄み切った声が響いた。「絆の深さ1位…全クラス!」頑張った仲間全員を讃えたい委員長の想い。巻き起こる全校生徒による万歳ウエイブ。教師集団の予測を見事に裏切る生徒の力に、脱帽した瞬間であった。
 「勝負事で頑張れるのは当たり前。賞が出ない場面で頑張れて本物」ということが昨年度から生徒の口で語り継がれている。これが「西中プライド」。その道はまだ途中。さらなる飛躍を期待させる生徒の姿があった。