モラルBOX日記

【安城市立明和小】給食の時間に・・・

公開日
2015/11/12
更新日
2015/11/12

ちょっといい話

 ある日の給食の時間のことです。「ガシャーン!」と音がして、子どもたちが騒ぎ出したので廊下へ出てみると、食缶のおかずが廊下にこぼれていました。しっかり持っていたけれど、食缶が重くて手がすべってしまったようでした。こぼれたものを片付けていると、「先生、おかず足りますか?教室から持ってきましょうか?」という声がしました。そこを通りかかった4年生の子たちが声をかけてくれました。「ありがとう。多分大丈夫。でも、足らなかったらそのときは声をかけるね。」とその子たちに言いました。一人一つの物ではなかったので、量を調節しながら何とか全員分配ることができました。すると、今度は4年生の別のクラスの子が来て「先生、ぼくのクラスの担任の先生にも言ってあるので、足らなかったら言ってください」と言ってくれました。その日の給食の後、クラスのみんなに4年生のことを話しました。「やさしいね。」という声が子どもたちの中から聞こえてきました。
 数日後、今度は4年生のクラスでおかずが落ちてしまいました。放送でそのことを知ったクラスの子たちから、「今度はぼくたちが恩返しする番だね。」という声が起こりました。少しずつおかずを分け合い、4年生のクラスへ届けました。その時の子どもたちの表情は、恩返しができてよかったという達成感で満ち溢れていました。その後、他のクラスでも同じようなことが起きましたが、そのたびに「恩返し」という言葉が子どもたちから出て、少しでもそのクラスへ届けられるように自分たちの給食を工夫して分けている姿が、大変ほほえましく感じられました。
 明和小学校には、「明和なかよし宣言」があります。その中に「思いやろう 相手の気持ち」という言葉があります。4年生の子たちは、給食をこぼしてしまったのを気の毒に思い、自分たちにできることを考え行動してくれました。そして、今度は立場が逆になり、次は自分たちがという思いで行動したクラスの子たち。学年を超えて相手の気持ちを思いやって行動した、心が温かくなる出来事でした。