モラルBOX日記

【西尾市立鶴城中】命を大切にするとは(臓器移植の授業を通して)

公開日
2015/11/18
更新日
2015/11/18

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

2年生の道徳の授業で、臓器移植にかかわる様々な人たちの立場を考え、命を大切にするとはどういうことかを話し合いました。
授業は4時間完了で、愛知県臓器移植コーディネーターの西山幸枝先生にゲストティーチャーとして参加してもらいました。
1時間目は臓器移植とは何か、どういう仕組みなのかを、西山先生の話をもとに学びました。2時間目には、脳死になってしまった家族の臓器を、病気で苦しんでいる人へ提供した人のビデオを観て、臓器提供を承諾したことで長い間苦しんでいる人の存在を知りました。3時間目には実際に臓器移植をして助かった人の体験談を読み、そのあとに臓器を提供することを断ってしまった人たちの思いを知りました。4時間目には実際に日本で行われている臓器移植の現状をデータをもとに知り、臓器移植を待っている人たちの思いを知りました。
臓器移植に対する4つの立場、「臓器提供を承諾した立場」「臓器移植をして助かった立場」「臓器移植・提供を断った立場」「臓器移植を待っている立場」のそれぞれの人たちの思いを確認して、授業の最後に命を大切にすることはどういうことなのかを考えました。
授業が終わるごとに、家庭に問題をもち帰って家族と話をする時間を設けました。生徒たちは様々な考えに触れ、その中から自分なりの答えを出そうと精いっぱい考えました。
Aさんの授業記録
私は初め臓器移植ってなんてすばらしいんだろう、命が助かるのだから反対なんて全くない、と思っていました。でもお母さんの話を聞いたら、実際に自分の子どもが臓器を提供するとなったら絶対に反対すると思う。いろいろな立場があって、その立場によって考えがわからなくなってしまう。臓器移植を待っている立場だったら、何が何でも絶対に臓器移植をしてほしいと思うし、とても複雑です。
Bさんの授業記録
僕はいろいろなことを聞いて、いろいろなことを考えたけれど、やっぱり臓器移植には賛成です。人の命の重さは、どんなものよりも重いと思うし、その命をつなぐ臓器移植はすばらしいことだと思う。自分の母親が脳死になって、臓器を提供することになると、母親の死を自分で認めてしまうかもしれない。でも命をつなぐことが一番だと考えています。
Cさんの授業記録
私は臓器を移植して助かることも、提供することにも反対です。臓器移植をするとなると様々な人に迷惑をかけ、特に海外へ移植に行くとなると、莫大な費用と迷惑をかけてしまう。そこまでの迷惑をかけるのなら私は自然のままに死を受け入れたい。臓器提供をして助かる人がいることも、待っている人がどんな気持ちで待っているのかもよくわかる。でも臓器提供者の死をまっているその現状は自然ではないと思う。わたしは自然の摂理に従いたい。