モラルBOX日記

【豊田市立藤岡中】 「小さい「っ」が消えた日」

公開日
2017/03/15
更新日
2017/03/15

ちょっといい話

 合唱コンクールが間近に迫っている中のあるクラスの出来事です。
 最優秀賞を目指し真剣に取り組む生徒と、なかなかスイッチが入らない生徒との温度差から、クラスに溝ができつつありました。そんな中、「小さい『っ』が消えた日」という本に巡り合いました。次のような内容です。
 文字さんたちには人間と同じように性格もあれば、文化や習慣もある」という出だしから、それぞれの文字達が自慢をし始めます。しかし、小さい「っ」だけは音を出さないから、そんなの文字でも何でもないと批判し、小さい「っ」は悲しい気持ちになり村から姿を消したという内容です。
 授業では、「クラスの誰かに優しい言葉をかけられたことがありますか」という導入から、資料を読み、周りの文字の気持ちを考えさせました。どの生徒も真剣そのもので、小さい「っ」を探している時の他の文字たちの気持ちを想像することにより、自分の役割や責任を意識した言動について考えながら、自分の言葉で意見を述べたり、友達の意見と比較して自分の考えを伝えたりする姿が見られました。授業の最後には、「誰もがかけがえのない存在であることに気付き、お互いを尊重し合う気持ちを高めていこう」とまとめることができました。授業を終えての感想を読んでみると、この題材と今のクラスの状況を照らし合わせ、合唱コンクールに向けて協力し、支え合って生活すること、言葉の遣い方に気を付けること、誰もがかけがえのない存在であると考えることができました。これからもタイムリーな題材を見つけ、継続的に授業を行っていくことが大事であると改めて感じることができました。
<生徒の感想>
・小さい「っ」がいなくなって困ってしまったので、クラスのみんなで協力していきたいです。
・どんな小さなことでも傷ついてしまうので、言う前には一度考えてから話したいと思いました。
・誰が欠けても成立しないことが分かったので、クラスのみんなで頑張っていきたいです。
・何気ない一言が良い事にも悪い事にもつながってしまうと思うので気を付けていきたいです。
・誰かが偉いとかじゃなくて、同じ文字なのだから批判するべきではないし、合唱の練習でも歌が下手だからと言って悪く言ってはいけないと思いました。
・自分が何気なく言った言葉でも、他人がどう捉えるかは変わってくるので、言葉の遣い方を見直すきかっかけとなりました。
・合唱の練習も同じで、一人でも欠けてはいけないし、みんながそろってやっと良い合唱ができるということを学びました。私たちも、一つ一つの文字と同じで、一人一人が合唱のため、クラスのために動き、お互いに支え合って生活していかないといけないなと感じました。