【刈谷市立双葉小学校】 毎日花に水をやるT君の話
- 公開日
- 2017/09/01
- 更新日
- 2017/09/01
ちょっといい話
当時、T君は特別支援学級の3年生でした。とても笑顔がすてきな心優しい子です。2年生までは、登下校のときはお家の人に付き添ってもらっていました。3年生になってからは、自分だけで通学班登校できるようになりました。友達から声をかけられれば、いつも笑顔で応えることができます。でも、T君は自分から積極的に友達に話しかけることは苦手でした。
そんなT君に、夏休みから大切な仕事ができました。それは、家の近所にある病院の花壇の花に、水をやることでした。この仕事を始めた最初の頃は、おばあさんと一緒に水をやっていましたが、いつの日からかT君が一人で水やりをするようになっていました。T君はこの仕事が大好きで、雨の日以外は、毎日欠かさず花に水をやっていました。
ところが、T君の使っているじょうろは子供用の小さな物で、花壇の花全部に水をやるるためには、何度も何度も家に帰り、水をくまないといけませんでした。大きなじょうろはT君には重過ぎるので、小さなじょうろで何度も往復して水をやっていました。
ある日、病院の近くに住む1年生の女の子が、水をやっているT君と出会いました。じょうろの水がなくなって、水をくみに家に戻ろうとしたとき、その女の子が「うちの水を使っていいよ」と言ってくれました。そのおかげでT君の水やりは、それまでの半分の時間でできるようになりました。
今では、T君一人ではなく、その女の子もときどき一緒に水をやっています。T君は、仕事を通して、心優しい仲間を得ることができました。T君の笑顔は更にすてきになりました。