【豊橋市立津田小】津田小にあふれるちょっといい話!
- 公開日
- 2012/08/16
- 更新日
- 2012/08/16
ちょっといい話
エピソード1
雨の日は憂鬱である。悪天候で運動場が使えなくなることはもちろん,子どもたちに指導しなければならないことが多い。廊下を走らない,教室では静かに過ごそうなど安全面に配慮した指導をする必要があるからだ。ある雨の日,その日の午前中は晴れていたので窓を開けていた。昼頃,突然天候が変わり,大雨に。ああ,しまった,廊下がびしょ濡れだ。そう思って窓を閉めにいくと,既に窓際に集まってしゃがむ子どもたちの姿が。「何をしているの」と声をかけると,
「雨が降り込んでいたので,窓を閉めて床をふいています!」
と口々に答えた。その思いがけないさわやかな行動に心を打たれた。外は雨だが,心は晴れやかであった。
エピソード2
誰もやりたがらない仕事を,率先して引き受ける人は格好よい。運動会の準備のとき,新入児と手をつないでかけっこをする競技がある。その競技の役決めでは,かぶりものを4人しなければならない。キティちゃん・ドラえもん・ピカチュウ・アンパンマンといったなじみのあるキャラクターのかぶり物である。かぶり物をしたがる子はたくさんいたが,どうしてもキティちゃんだけは誰もやりたがらない。誰がやるのかでもめた学級会で,クラスの男の子が一人,さっと手をあげ
「僕がやるよ。」
その一言に,どこからともなくパチッ,パチッと音がしたかと思うと全員が拍手をしていた。さっと引き受けたその子の勇気に自然と拍手が巻き起こった。
エピソード3
野外活動で,今年初めて火文字に取り組むことに決めた。今まで本校ではやったことのない火文字。子どもたちは野外活動を今か今かと楽しみにしていた。しかし,当日はあいにくの雨でキャンプファイヤーは中止となり,キャンドルサービスになった。それでも子どもたちは力を合わせて取り組んだ。もうすぐ会も終わりにさしかかった頃,
「先生!見て!雨が降ってないよ!」
と子どもの声。みんなの気持ちが通じたのか,雨があがった。子どもたちは喜び勇んで外に飛び出し,トーチトワリングを行った。そして,待ちに待った火文字。文字に火をつける子のあだ名は,はやさんという子で,その子の口上ののちに一気に火を付ける手はずだったが,湿気のためかなかなか火がつかない。懸命に火をつけようとするその子の姿に,子どもたち全員が
「はーやーさん!はーやーさん!」
と大声でエールを送り続けた。その甲斐あって,全ての文字に火がつき「キズナ」の文字が夜空に浮かび上がった。この火文字をきっかけに,クラスが一つにまとまり,絆が深まった野外活動になった。
三つのエピソードは,「ちょっといい話」のほんの一部である。津田小学校には毎日,一人一人の思いやりであふれ,みんなが支え合い,助け合って生活している。そんな子どもたちをこれからも見守っていきたいと思う。