【豊橋市立本郷中】一人一人がもつ力
- 公開日
- 2012/08/30
- 更新日
- 2012/08/30
ちょっといい話
掃除の時間。毎日、終了時刻になると見かける、丁寧にぞうきんを片付ける生徒。次の日も、またその次の日も、きれいに並べて干していく。「あなたの仕事なの?ごくろうさま。」と声をかけると、「いいえ、好きでやっているんです。」との返事。誰に言われるでもなく、自ら活動する姿をほほえましく、そして心強く思いながら見守り、その場を後にした。
学級での活動は実に多様である。円滑にすすんでいくように係活動や当番活動があるのだが、それだけではスムーズに回っていかないこともある。「めんどくさいな」「自分の仕事じゃないし」と見て見ぬふりをする生徒も多い。そんな中、「みんなでやろう」を合言葉に1年間学級で活動をしたことがあった。高いところに掲示をする場合は「俺がやるわ」と背が高い生徒が動く。重いものを運ぶときは力がある生徒が「しょうがねえなあ、おまえもやれよ。」と友達に声を掛け、活動する。手が空いた生徒から、「これ配っていいよね、半分こしよう。」と配付の仕事を手伝う。体育祭では運動の得意な子が音頭をとり、合唱コンクールでは学級のリーダーが雰囲気作りを行う。絵を描くことが好きな生徒が、パネル製作の中心となって活動する。そこでは、それぞれの個性に合わせて、自分の得意なところで力を発揮する姿を見ることができた。
「みんなでやる=みんなで学級を作る」。一旦動き出した生徒たちがもつ力は、実に大きなものだった。「ありがとう」の声がたくさん聞こえるようにもなっていた。そして、お互いのよさを認め合う、温かい雰囲気が育っていることを感じた。人前に立ってリードしていく生徒もいれば、陰ながら力を添えている生徒もいる。それぞれの力が結集して学級が作られていくのだ、ということを改めて実感した。