【田原市立赤羽根中】阪神タイガース金本選手 引退記者会見より
- 公開日
- 2012/10/29
- 更新日
- 2012/10/29
ちょっといい話
プロ野球21年目となる今季限りでの現役引退を決意した阪神タイガースの金本知憲外野手は、引退記者会見で、ときに笑顔、ときに声を詰まらせながらグラウンドを去る思いを語りました。
彼は、打点王やMVP、ベストナインなど、表彰されたものがたくさんあります。また、連続試合フルイニング出場などの世界記録や、連続4番先発出場、トリプルスリー(3割30本30盗塁)など、数々の日本記録を打ち立てました。そんな金本選手は、「記録の中で一番誇りに思うのは?」と聞かれて、こんな風に答えています。
「僕の中では、連続1002打席無併殺記録(注1)。つまり、打率が下がるところでも全力で走って、ダブルプレーにならないようにした。ヒットにならないところでも全力プレーした。フルイニング出場の世界記録よりも誇りに思う。」と。
金本選手にとっては、あまり得にはならないプレーです。全力で走っても、あまり話題にされないプレーです。チャンスをつぶし、ファンはがっかりしているときのプレーです。全然目立たないプレーです。
ですが、自分がセーフになることで、次の打者に回ります。もしかしたら次の打者が、ヒットでつなげたり、ホームランを打ったりするかもしれません。その可能性や、チームの勝利を第一に考えて、毎回毎回、全力で走ったのです。
そんなプレーを地道に積み重ねてきたからこそ、金本選手は長い間活躍し、ファンにも愛され、チームメイトにも愛されたのだと思います。
注1:ダブルプレーが1002打席連続でなかったということ。自分が塁に残ったとしても、1塁走者がアウトになった時点で、金本選手自身の打率は下がります。