モラルBOX日記

【瀬戸市立陶原小】手軽さに潜む危険〜LINEについて〜

公開日
2013/07/31
更新日
2013/07/31

情報モラル教育実践(モラルBOX掲載用)

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 個人懇談で,6年生の多くの保護者から,LINEを使った子ども同士のやりとりが頻繁に行われていることを懸念する声が聞かれた。ダウンロードすることで,無料で通話やメールができることが売りのアプリだが,子どもたちは,さまざまな危険もはらんでいることを知らず,手軽さだけにひかれて使用している実態が,保護者から様子を詳しく聞いていくうちに浮き彫りになった。そこで,そうした手軽さに潜む危険について知らせるとともに,LINEの使用について考える機会を設けることを考えた。
 まず,LINEの持つ危険について知らせた。LINEの利用を開始すると,自身の電話帳に登録した番号が皆,友達リストに載り,改めて登録する煩わしさが無くなる反面,すでに番号が変わった全く知らない人も登録される場合がある。例えば,その人から送られたメールが良くない内容だったとき,自分に送られたものと思い込み,それがきっかけとなり,トラブルに発展する。さらに,これを悪用すると,個人情報の漏洩やなりすましが横行することになる。また,メールのやりとりを盗み見られることもある。
 こうしたことから,心を痛めたりするだけでなく,場合によっては犯罪に巻き込まれるケースもあるという実状を話した。
 次に,実際に犯罪に使われたケースを話した。先日,広島県で起きた事件で,被害者とは面識のない者が加害者達の中にいたが,こうした加害者同士のつながりはLINEによるものであった。また,事件の発端もこのLINEによるものであった。この話は,ごく最近の,悲惨な事件であり,しかもLINEを使う子どもたちから見れば,LINEによってつながり,何かの目的で集まるということは,決して現実離れした話ではないだけに,神妙な顔で話に聞き入る子も少なくなかった。
 こうした話を基に,それぞれのスマートフォンをはじめとする端末機器使用の様子について,振り返ってもらった。LINEを使ったことのある子どもたちからは,「簡単だと思って使っていると大変なことになる」「知らないうちに犯罪をしているのはこわい」「自分に何か起きる前に知ることができてよかった」といった感想が聞かれた。LINEをこれまで使ったことがない子どもたちからも,「そんなに危険なものとは知らなかった」「絶対にLINEはやらない」といった感想が出てきた。
 手軽さ,便利さはあるが,それを使うのはあくまで人である。その人をきちんと教育してこそ,本来の手軽さや便利さを感じられるものになる。今後も家庭との連携を密にして,子どもたちを守っていきたい。