【愛西市立永和中】小中合同運動会
- 公開日
- 2013/10/08
- 更新日
- 2013/10/08
ちょっといい話
9月21日(土)、晴れ渡る秋空の下、永和地区小中合同運動会が開催された。小中合同…と聞くと、一瞬めずらしい感覚を覚える方も少なくないと思われる。しかし、この運動会は今年で14回目となる永和地区最大の行事なのである。
9月になると、中学生は校区を流れる善太川に架かる橋を渡り、お隣の小学校に何度も足を運ぶ。小中の合同練習や中学生のメイン発表であるマスゲームの練習、位置取りや隊形練習のためである。つまり、運動会会場は小学校であるため、全ての計画・準備は彼らの母校である小学校で基本的に行われるのである。一言で小学校に足を運ぶ、と言っても、校舎から運動場に飛び出していく具合には行かない。10分、15分の休み時間中に水筒・タオル・ボンボンなど、あれこれ荷物を持って、猛ダッシュで移動しなければならないのである。実にハードな日程を毎日こなしていかなければならない。移動では、中学生の学年縦割りブロックによるおよそ120人ほどがまとまって一斉に橋を渡っていく。一つのブロック練習が終わるとまた次の120人が…と橋の上で交差する。
同時に、小学校では同色のブロック児童1年生から6年生までが大きな固まりとなって中学生を待っているのである。小学1年生と中学3年生の身長差と言ったら、驚きである。体つきも何倍もちがう。キョロキョロする小学1年生に中学3年生が優しく手取り足取り教える。おそらく意味がわからないであろう応援歌やウェーブも中学生の先輩の言われるままに小学生も一生懸命がんばる。9月とはいえ、暑さは半端ない。中学生だけならもっとペースも速いであろうが、そうはいかないのが小中合同練習の苦しさである。が、その光景に、なんともほのぼのとした笑みがこぼれてしまう大人は多い。
中学生にとって小学校は6年間過ごした懐かしくよく知った我が家のような場所。入場門や看板・ロープの置き場所など、体育倉庫の隅々までよくわかっている。中学生にとって、特に3年生には、この合同運動会が9年間の集大成なのである。
初めてこの合同運動会の練習風景から本番までを目の当たりにした時は、正直びっくり仰天であった。いわゆる、都会じみたスポーツ祭典という感じは全くない。しかし、合同運動会で見た永和の中学生の姿は、今の淡泊な時代に、忘れかけていた素朴で優しさにあふれる15歳が確かに目の前にいる、という感動を大人たちに与えてくれるのである。