平成25年度みよし市教育委員会の取組「心に響く講話」
- 公開日
- 2014/02/06
- 更新日
- 2014/02/06
県教委・市町村教委の取組(利用しない)
みよし市では、毎年、新年の初めに、市内小中学校の全教職員が集い「心に響く講話」を聴き、気持ちを新たにします。本年は、次のような新年教育研究大会を開催しました。
今年の講師は、FMいわきのパーソナリティー、ベティ氏です。みよし市から復興支援事業の一環でいわき市に出向している横田氏を通していわき市で活躍されているベティ氏を紹介していただきました。ベティ氏は、いわき市でお生まれになり、東日本大震災を体験し、震災直後から24時間生放送という災害放送を経験されました。現在も、いわき市や東北地方を拠点に精力的に活動されています。震災から3年近く経過した今、震災について私たちが考え、自分たちの生き方を振り返ることは大切なことであると考えます。
今回は、「福島の現状と放送が出来ること」という演題で講演を聴きました。
講演では、東日本大震災の悲惨な様子が伝わる数々の写真をもとに、被災した人々の心の声をべティ氏に代弁していただきました。
「津波の水が引かないまま、火災になってしまったので、実は消防車が一台も入れませんでした。丘の上で自分の家が燃えていくのをずっと見なければいけなかったという状態だったのですけれども、とてもすごい火災でした。見てなければならなかった住民のみなさんの気持ちを考えると・・・・。もうにおいが今でも忘れられないのですが、火災のにおいだけではない、いろんなにおいが入り混じっている感じで、もう忘れられないですね。ただここに、ボランティアのみなさんにお越しいただいて、ちょっと黒くなってしまった家に、きれいにお花を咲かせましょうということで、絵をかいてくださり、取り壊しの前に、そうですね、人間でいうと死に化粧みたいなものでしょうかね、家にすごくきれいに花の絵をかいてくださった方がいらっしゃって、それはそれは、地域住民の方も喜んでいただいて、今でも実はその活動は続いていて、取り壊しの前にお花の絵をかきましょうというプロジェクトがあるのです。」
まだまだ苦しい現状と日々向き合っていらっしゃるベティ氏の生の声は、心にグッとくるものがありました。福島の方々が、様々な思いを抱えて今もなお大変な思いをされていること、そのような中でも前向きにがんばっていることが伝わってきました。また震災後に、被災者の方が同じ被災者の方を助けるといった話を伺い、自分のことばかりでなく相手のことを思いやるいわき市の人々の姿が目に浮かびました。
<参加者の感想>
・子ども達にも、今回聞いた生の声を、より具体的に、思いを精一杯分かりやすく伝えることが、「子どもたち自身が命を守ることにつながる」と信じて、伝えたいと思います。
・「今の自分にできることを一生懸命行う」ことの素晴らしさを学ばせてもらいました。
・「正しい情報をいかに分かりやすく伝えるか、また、受け手の考え方が違えば、伝わり方も変わる・・・」ということを知った上で、公正に伝えることを、ベティさんは自覚されていたことに感動しました。
・「言葉の重み」について、職業柄、共感し合える内容でした。
・自分の中で、復興支援が頭の隅に追いやられていることを実感し、悲しくなりました。「伝えていくこと、忘れないこと、やれることを出来るだけやる」新年、改めて考えていきたいことができました。
講師のベティ氏やいわき市の方から様々な面で学ぶことがあり、とても貴重な時間をすごすことができました。「いわきで ひとつに」「前を向いて 少しずつ」「今できることを 精一杯」というベティ氏やいわき市の人々の合言葉を、私たちもしっかりと受け止めていこうと痛感しました。