【 豊橋市立豊城中 】 脈々とつなぐ
- 公開日
- 2015/08/31
- 更新日
- 2015/08/31
ちょっといい話
豊橋市の中心部に位置する本校は,昭和22年創立,今年で68年目を迎えた学校です。真向かいには,手筒花火発祥の地と謳(うた)われ,夏には豊橋祇園祭で賑わう吉田神社を,東に数分歩を進めれば,国指定重要無形民俗文化財である天下の奇祭「鬼祭」で知られる安久美神戸神明社を擁する本校区は昔から吉田宿として栄えてきました。生徒数こそかつてに比べるとかなり減少してはいますが,先に紹介した二つの祭のほかにも,吉田文楽(人形浄瑠璃…本校にも「人形浄瑠璃部」があります)などが根づき,豊橋市の多くの伝統文化を担う,歴史と伝統ある地域・学校です。
さて,そんな我が校では(近年のブームにやや先駆け)マスコットキャラクターが誕生しました。2009年のことです。生みの親(当時の3年生で生徒会役員の生徒)は,今年の1月に無事に成人式を迎えました。式当日,母校を訪れた際に,校内のあちこちにある掲示物に「わが子」たちを発見した彼女は,とてもうれしそうに歩き回っては眺めていました。「し〜ろん」(校地に隣接する豊橋公園にある「吉田城」がモデル)と名づけられたこのキャラクターは,その後の生徒会役員によって詳細な設定で性格づけられ,気軽に多くの人が利用できるように,イラストのデジタルデータ化もされました。これらは,生徒会通信はもちろんのこと,FAX送信票,さらには校長先生の名刺にまで登場し,最近ではその存在を外部の方にも機会があるごとに宣伝しています。ついに今年三月には,卒業生が卒業制作で大型ぬいぐるみとして立体化しました。
先輩のアイディアから誕生したキャラクターが,年を追うごとに後輩の手によって成長し続ける様子は,伝統ある自由な校風を創り上げてきてくれた先輩方の学校に対する思いを大事に受け継ぎ,少しずつ「愛校心」として育まれていることを感じさせてくれています。