【一宮市立尾西第二中】卒業記念くじら池の清掃ボランティアを通して
- 公開日
- 2016/08/12
- 更新日
- 2016/08/12
ちょっといい話
尾西第二中学校の中庭には、「くじら池」と呼ばれる水槽がある。3m弱の正方形の枡(ます)の真ん中に2頭の親子のくじらの像がある。この「くじら池」は、昭和62年度の卒業生一同が設置したものである。池の中には、メダカが十数匹泳いでいる。
いつもはひっそりしている池周辺が、年に一度だけとてもにぎやかになる。くじら池の清掃を行う日だ。環境美化委員が募集した清掃ボランティアとともに作業を行うのだが、毎年たくさんの生徒が参加してくれることが本当にうれしい。
この清掃…まずは、池の水をバケツリレーで近くの側溝に流すことから始まる。池の底面にはもちろん栓があるが、メダカ保護のため栓からは流さない。バケツリレーで水をすくえるだけすくい、次は池の底にたまっている藻や泥などをたもでとって、中庭のすみに掘った穴に埋めていく。ただしこのときもたまった藻や泥の中にメダカが紛れていることがあるので、埋める前に一度、手作業でメダカの確認をする。
池の水、藻や泥を出せるだけ出した後に底面や側面をたわしやデッキブラシでこすって、こびりついている汚れを落としていく。一年分の汚れは簡単には落ちないが、集まったメンバーで交代しながら少しずつきれいにしていく。
力を合わせて、かなりの時間をかけて池をきれいにしたあと、一つの楽しみがある。池のすぐ近くに2つのバルブがあり、専用のハンドルでそのバルブをひねると、池の中心にある親くじらと子くじらの背中から潮のごとく水が噴き出すのだ。その瞬間、毎年集まったボランティアのメンバーからは歓声があがり、清掃の疲れも一気に吹き飛んでいく。
ひたすら、バケツで水を送っていた生徒、一心不乱にたわしで池を磨いていた生徒、藻を埋める穴を庭の隅で黙々と掘っていた生徒、必死に素手で藻をかき分けてメダカを探していた生徒…一人一人役割は違っても、どの役割もなくてはならないものであり、それを自ら率先して行ってくれる生徒たちに感謝の気持ちでいっぱいである。
卒業生の方々が残してくださった「くじら池」はただの水槽ではなく、二中生の心の成長にも役立っている。