モラルBOX日記

【豊橋市立植田小】全員が納得できる解決方法を見つけ、問題を解決しよう!

公開日
2017/01/12
更新日
2017/01/12

心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)

 豊橋市立植田小学校の5年生のクラスでは「心の教育推進活動」として、学級担任と養護教諭が連携して、自己規律、責任感、よい意思決定、他者の尊重などの心を育むライフスキル教育を行っています。小学生時代は子どもたちにとって、同年代の仲間や周辺の大人との関わりを通して、自分というものを確立していく時期です。この時期に、聞くこと、分かち合うこと、トラブルを解決すること、そして人に対して気持ちよく接することなどを学んだ子どもたちは、仲間と協力しながら活動に取り組むことができ、思春期、青年期、さらに大人になってからも、他者と思いやりのある関係を結ぶことができると考えます。
 本実践では、他者の思いや考えを尊重する心をもつことの大切さについて考えられるよう、「全員が納得できる解決方法を見つけ、問題を解決しよう」というテーマで、2つの話合い活動を行いました。まず、グループエンカウンターのアクティビティ「無人島SOSゲーム」を行いました。子どもたちは、制限時間10分の中で、無人島で生き残るための5種類の必要な物品を選んでいきます。それを基にした話合いを通して、「考え方は人によってそれぞれ違う」ということについて気付くことができました。次に、実際に学級が抱えている「給食の残食が多い」という問題を取り上げ、どうすれば残食が減っていくのかということについて話し合いました。給食を残してしまう理由は、「時間が足りない」「嫌いなものが食べられない」「量が多すぎる」など人によってそれぞれ異なり、どの人にとっても切実な問題です。子どもたちが直面する問題を話合いの土俵にのせることで、友達の気持ちも考えられるようになり、解決のためには自分の考えを主張するだけでなく、友達の考えを尊重することも大切だということを考えることができました。
 子どもたちは「自分で考えられなかったことも出てくるので、友達の意見を聞いてよかった」「自分の意見を相手にしっかり伝えるときは、ちゃんとした理由があるとよいということがわかった」「全員が納得できるまで、意見を言い合うことが大切だと思った」「言い争いをしていると解決しないので、譲り合いの気持ちがないといけないことがわかった」というような感想をもちました。
 今回の実践を通して、人にはいろいろなものの見方や考え方に違いがあり、それらの違いを認めようとする心をもつことの大切さを強く実感できたと思います。思春期の子どもたちに、心の壁をつくるのではなく、心の橋を架けるようなスキルを高めていけるような指導を今後も続けていきたいと考えています。