モラルBOX日記

【刈谷市立平成小学校】作った人の思いを考えて行動をしよう(著作権と許諾の実践)

公開日
2017/12/04
更新日
2017/12/04

情報モラル教育実践(モラルBOX掲載用)

 本校でも、自分用のスマートフォンを持って、無料通信アプリなどで友達と情報交換し合う児童が、高学年を中心に増えています。そうした実態を踏まえ、低学年の頃から計画的に情報モラルの意識を高めていくことが重要であると考えます。ここでは、1年生の道徳で行った「著作権と許諾」に関する情報教育の実践を紹介します。
 授業では、人の考えたものや作ったものには、作った人の思いが込められていることを知り、許可なしに別のところで使ったり、作り変えたりしてはいけないことを理解させたいと考えました。
 そこで、『事例で学ぶネットモラル』にある物語「おじいさんの絵」を取り上げました。この物語は、主人公のうさ子が、大好きなおじいさんが入院してしまったために、おじいさんを勇気づけようと絵を描いたものの、絵が得意なぽんたがやってきて、うさ子の許可なく絵を描き変えてしまうという内容です。教師がお面を付けて役割演技を行い、電子黒板で場面絵を提示しながら、紙芝居風に物語を紹介していきました。ぽんたがうさ子の絵を描き変える場面では、実際にタッチペンを使って絵を描き変える様子を見せました。児童からは、絵を描き変えた瞬間、「ひどい!」「うさ子がかわいそう」というつぶやきが出されました。 
 物語の後半部分では、おじいさんが入院していることをぽんたに打ち明け、自分で描いた絵を渡したかったうさ子の本心を紹介しました。教師がぽんたの気持ちについて問うと、児童からは、「うさ子の絵を勝手に描き変えてしまったことはいけない!」という意見が多数出されました。こうして、親切心で行ったことでも、人のものに勝手に手を加えると相手を傷つけてしまうことがあることに気付かせることができました。
 最後に、ぽんたからうさ子に伝えたい言葉を考えました。「勝手に変えちゃってごめんね」「今度からは勝手に変えないからね」という発言からは、人の考えたものや作ったものには、作った人の思いが込められていることに気付いたことや、許可なしに別のところで使ったり、作り変えたりしてはいけないことを理解した様子がうかがえました。