モラルBOX日記

【豊橋市立南部中学校】 小さなこころくばり

公開日
2018/11/15
更新日
2018/11/15

ちょっといい話

 ある日の朝のことでした。私は、登校する生徒に朝のあいさつをしようと、昇降口へ向かいました。足元に目を向けると、床が砂だらけになっています。前日は天候が悪く、地面が湿っていたせいで昇降口が汚れてしまったのです。
 ふと、顔をあげると、その砂をほうきで掃いている生徒がいました。私は、「ありがとう」と声をかけました。その生徒は、「だって、ざらざらしていたらみんな嫌じゃないですか。だからやるんです」と返してきました。「ざらざらしていたら嫌」は、誰もが思っていることだと思います。しかし、それを解消するために行動に移すことは、なかなかできません。「掃除なんて面倒くさい」「いい子ぶっていると思われそう」など、いろいろな理由があります。思春期の中学生には、よいと思ったことをそのまま行動に移すことができない不器用さがあります。そんな中、「みんなも嫌だと思うから」という理由で行動できるこの生徒の素直さと、周りに対するこころくばりに、私はとても感動しました。
 南部中学校では、こうした生徒の頑張りを、生徒同士で認め合う雰囲気を大切にしています。全校で取り組んでいる感謝の気持ちを伝える『ありがとうカード』には、ほうきで掃いていた生徒に、お礼のメッセージを書く生徒もいました。生徒同士で、互いのことを認め合い、感謝し合うことで、温かい学校づくりをこれからも目指していきます。