モラルBOX日記

【蒲郡市立蒲郡中学校】言葉にそえて 言葉おしみ

公開日
2019/06/03
更新日
2019/06/03

道徳科の授業実践(モラルBOX掲載用)

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 昨年度の文化祭では、大好きな蒲郡中への思いを歌にした「蒲中ソング」を生徒と職員で創作し、全校で肩寄せ合って歌うなど、温かな学校を作ってきました。今年度は「心〜熱く温かく〜」の生徒会スローガンのもと、更に温かみのある学校をつくろうと日々奮闘しています。
 本校には、あいさつが自然にできる生徒が多くいます。すれ違う友達、教師、地域の方に出会ったとき、あいさつが当たり前にできます。しかし、その反面、「おはよう」「さようなら」という言葉を発することが目的となってしまい、心がこもっていないのではないかと感じられることもあります。そこで、あいさつについてもっと深く生徒たちに考えてほしいと考え、5月7日に3年生の「言葉にそえて 言葉おしみ」(内容項目:礼儀)というあいさつについて考える道徳科の授業実践を行いました。資料の作者が体験した「病院の待合室で名前を呼ばれても返事をしないのはなぜか」という内容や「電車内で席をとっさに機械的に譲った私と、それを、言葉を発さずに断った男性」のことを扱った「言葉おしみ」を教材として授業を展開しました。
 生徒たちは、病院の待合室の話で、「自分だけ声を出すのは恥ずかしいから」「病院は静かにしなくてはいけないから」といったことを答えました。多くの生徒が病院の待合室での返事を必要だと考えてはいませんでした。そこで教師が、「学校では名前を呼ばれたら返事をするのは当たり前にしているのに、どうしてなのだろう?」と切り返すと、「確認だけのものなので、返事をする必要性がないから」という返答の生徒もいました。病院に限らず自分の名前を呼ばれたときの自分の在り方について話し合った後の振り返りでは、「病院では静かにする」という多くの意見の中に、「学校で返事しているのにしないのはやはり違和感がある」という意見もありました。そして、「返事をして、呼んでくれた人へ心で応える」という温かい考えを記す生徒が増えました。
 この「言葉おしみ」の教材から生徒たちは、どうしてあいさつをするのか、どうして返事をするのかということを考えることにつながりました。授業のまとめでは、「あいさつは心を込めてこそ意味がある」と口にした生徒もいました。これらの言葉から、この授業の実践で生徒たちは、形と心の一致したあいさつの大切さ、そして、時と場に応じた行動について考えることができたと感じられました。
 今後は、これからの道徳科の授業で、更に生徒の本音の部分を掘り起こすことをしていきたいと考えています。心が揺れる教材を扱っていき、一人一人がきちんとした倫理観を培ってほしいと願っています。