モラルBOX日記

【設楽町立田峯小学校】わくわく学級より

公開日
2012/08/01
更新日
2012/08/01

ちょっといい話

 放課が終わって、水筒を片手に手洗い場に集まる1、2年生3人。手洗いうがいをするためです。ところが、いつになっても教室にもどってきません。いったい何をしているのやらとのぞいてみると、ああでもないこうでもないと井戸端会議ならぬ手洗い場会議の真っ最中。はたして、どんな日本語を話しているのだろうと想像するだけで楽しい毎日です。

 朝礼で、1年生初めてのスピーチのとき、「好きな教科は国語です。字を書くことが好きだからです。」というY君の話に、上級生から「漢字を書くことも好きですか?」という質問が出ました。前に立った緊張から、答えに戸惑うY君。わたしが話そうとしたとき、同級生のHさんが「まだ、漢字は習ってないよ、ね。」と助け舟をだしました。「習ってない」と自分が答えてしまうのではなく、「ないよね」と問いかけるところに、優しさがあふれていました。

 英語の授業で、「I like 〜」を使ってフルーツバスケットのゲームをしたときのことです。好きな食べ物や、フルーツ、遊びなどいくつか出てきたところで、突然1年生のY君が「I like じぶん」と言ったのです。すると、よくわからないALTの先生だけが動かず、子どもたちはみんな、さっと立ちあがり一斉に移動。わたしはといえば、一瞬「えっ」と止まったがために、すでに椅子は満席。取り残されたしだいです。それにしても、「自分が好き」これってなんだかとてもすごい、と思ってしまいました。そして、「もちろん」と言わんばかりにすぐに動く子どもたちにも。

 掃除の時間に、1年生が床のぞうきんがけをしながら「ああ、疲れた、もうだめだあ。」と言ったときです。2年のH君が「そんなことで弱音をはいてどうする。これでだめならこれからの人生はどうなる?!」と励ましの声をかけました。わたしは、思わず「おー、H君どこでそんな言葉を」と問えば、「えっ?だって先生がいつも言ってるでしょ。」身に覚えのないわたしは、あ然・・・。

 くわばら、くわばら。どこで何を覚えられているかわかりません。
1、2年生だからといって、あなどるなかれ。相手は言葉のスポンジです。子どもの日本語をどうこう言う前に、心して自分の言葉をふりかえりたいと思います。