モラルBOX日記

【豊田市立矢並小】 『落書きから学ぼう』

公開日
2014/06/18
更新日
2014/06/18

情報モラル教育実践(モラルBOX掲載用)

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 ネットやブログ、掲示板などに書き込みをしていじめに発展したり悩んでいる人がたくさんいる。本校でも携帯電話を持っている子が軽い気持ちで書き込みをしたことで、トラブルになったことがある。低学年も、インターネットや携帯電話に無縁ではない。親の携帯電話でゲームをしたりメールをしている子がいる。今のところ書き込みをしている様子は見られないが、将来のために今から情報モラルについて学ぶことはとても重要なことと考えた。 
 「情報」といっても低学年にはなじみがない。そこで、日常生活の中で起こりうる落書きをテーマにした紙芝居「さるおくんのらくがき」をもとに、情報を発信するときや情報を受け取るときのルールについて考えた。紙芝居は、くまおに意地悪されたさるおが、くまおの悪口を壁に落書きして、それを見た人たちの反応を場面に表したものである。落書きをしたさるおや書かれたくまお、落書きを見た人たちの反応を役割演技させると、さるお役の子は、「誰にも僕が書いたって気付かれないぞ」と満足そうだった。それに対してくまお役の子は「こんなこと誰がしたんだ」と怒ったり「悲しい」と落胆したりした。さらに「うそなのに本当と信じてしまう人がいるかもしれない」「みんなに広まらないように早く消したい」と間違った情報がうわさされる危険を感じていた。落書きを見た役の子は「くまおくんかわいそう」とも言うが、「くまおくんってこんな子だったんだ」と情報を鵜呑みしてしまうことに気付いた。こうした発表を聞いて、子どもたちは、さるおは悲しい思いをしたくまおやその家族に謝るべきだ。読んだ人やそのことを聞いた人にもちゃんと説明すべきだ。でも、全員の人に伝えることは難しいので、「落書きはすべきでない」という結論に達した。
 授業の最後に、落書きは思っている以上にたくさんの人に広まってしまい、時には取り返しもつかないトラブルに発展してしまうこともあるので、書かないだけでなく書いたものを広めるようなことをしてはいけないことを話して授業を終えた。
近い将来、携帯電話やインターネットの掲示板を利用することがあるだろう。そのときは、情報を発信するときや受け止めるときのルール、また、見えない相手の気持ちを考えた上で使ってほしいと願う。