【安城市立安城西中】縦割り団で深まる絆
- 公開日
- 2015/01/06
- 更新日
- 2015/01/06
ちょっといい話
本校は、5年前に縦割り団による体育大会を初めて実施しました。抽選により1、2、3年のクラスが縦に組み、赤団、黄団、青団のように1つの団になって応援や競技を競い合うため、応援合戦は迫力があり、またどの競技も、一人一人に大きな声援が送られ、大盛り上がりでした。その後、毎年細かな改良を加え、現在では西中の伝統になっています。
応援練習では、3年の団長や副団長が中心になって振りや踊りを考え、2学期最初の10日ほどで1、2年に教えなければなりません。そのため、夏休み前から準備をし、優しく、わかりやすく、根気強く、ほめながら下級生に教えていきます。教師がやり方を一つ一つ言わなくても、卒業した先輩の姿を見て生徒たちが自然に学んでいるようで、その姿は頼もしく、また、ほほえましくもあります。ですから、毎年、体育大会後には、「先輩のおかげで練習が楽しかった」、「先輩たちを優勝させたかったから、悔しい」、「僕も先輩のような団長になりたい」などの前向きな感想が、1、2年生から聞かれます。
現在では縦割りでの活動範囲が、合唱交流や委員会の行事にまで広がってきました。活動の経過報告が昼の放送で流れると、各クラスでは、自分たちの団の順位に一喜一憂します。そして「先輩に迷惑かけちゃいけないから」、「先輩としてのメンツがあるから」というように、各学年がより一層がんばるようになります。
しかし何よりも縦割りのよさは、相手を思いやる気持ちが育ち、成長できるということです。団の発表は春なので、自然教室や職場体験学習など、各学年の行事の前には、3年生一人一人からアドバイスや励ましのメッセージを1、2年生のクラスに届けます。行事から戻る前には、クラスの黒板に「お帰りメッセージ」を書きます。合唱交流では、3年生は最高学年として声量でも表情でも後輩とは違うぞという姿を見せ、さらに後輩にアドバイスを送ります。ですから、教師に言われなくても自分たちで考え動くようになり、成長していくのです。そして1、2年はそんな3年生の姿を見て、先輩を敬い、お礼のメッセージを送りたいと思うようになっていきます。そして「自分もあんな先輩になりたい」とあこがれの気持ちをもつようになるのです。
団の絆が深まることで、行事が活気づき、各行事で達成感を味わうことで自信をもつ生徒が増えてきました。あいさつの声も大きく、ますます西中が元気になっていくことを願っています。