【田原市立大草小】野菜を育てる活動を通して心を育てる
- 公開日
- 2015/01/06
- 更新日
- 2015/01/06
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
本校の1年生は、学級園で野菜を育てています。夏野菜として、ピーマン、ナス、ミニトマト、ポップコーンを育てました。これらの野菜を育てる中で、子どもたちの心を育もうと考えました。
春、野菜の苗を植える時、地域にお住まいの鈴木さんに畑の先生になっていただきました。子どもたちが畝作りをする日に鈴木さんに来ていただいて、「野菜は、根っこから栄養をとるだよ。土の中で根っこが長く伸びるから畝は大きく作らんといかんよ。」と話をしていただきました。こうして子どもたちは、大きな畝を作り、「大事なものは目に見えない」ことや、「何事も土台が大事」ということを実際に学ぶことができました。さらに、「野菜には口も足もないから、『水ください』と言うこともできんし、歩いて行って水を飲むこともできん。だからみんなが優しい気持ちで育てんといかんよ。」と担任が話をしました。子どもたちは、野菜に声をかけながら水をかけていました。作業の後、鈴木さんにお礼の絵を描いて届けることができました。
夏、草が生えてきた時、野菜の栄養が取られてしまうと教えると、子どもたちは、草取りをしなければ、という気持ちになりました。そして、その草をどうすればよいか考えさせると、学校で飼っているウサギにやればよいと気づくことができました。土作りをした時に、鶏の糞を肥料としてまいたことから、ウサギの糞も肥料になるかもしれないと言い、自然の循環に気づきました。担任が、動物が吐く息を植物が吸って太陽の光とともに栄養を作ること、その時にきれいな空気を植物が出すことを教えると、子どもたちは驚きの声をあげました。早速草取りをした後、ウサギに草をやると、ウサギがサクサクと草を食べていたので、子どもたちは大喜び。「無駄なものは一つもない」ということを実感させることができました。自然への畏敬の念が育まれました。
野菜が実ってきたところで、鈴木さんにお礼の手紙を書いたり、近くの本郷神社に天の恵みと地の恵みへのお礼参りをしたりしました。こうして感謝の心が育ってきました。
秋、学芸会で野菜作りを通してお世話になった鈴木さんへのお礼の劇を上演しました。その劇を練習する中で、子どもたちの鈴木さんへの親しみと感謝の気持ちが一層育まれました。子どもたちは、「鈴木のおじさん!」と道行く時に声をかけたり、鈴木さんが困っていると走り寄って手助けをしたりしました。こうして地域への愛着が深まりました。子どもたちの招待状には、「いままでいろいろなことをおしえてもらいました。ありがとうございました。がくげいかいには、ぜひきてください。」と書かれていました。学芸会の日には、鈴木さんにも来ていただいて、帰りに鈴木さんからお褒めのことばをいただき、子どもたちと鈴木さんとの心の交流ができました。どの子も「すずきのおじさんといっしょにやさいをそだててうれしかった。」という感想をもちました。
今は、冬野菜を育てています。子どもたちにとってよりよい心の活動になるよう、工夫していきたいと思います。