モラルBOX日記

【春日井市立勝川小】6年間の思い出〜一枚の版画から〜

公開日
2015/03/02
更新日
2015/03/02

ちょっといい話

 担当している6年生の図工の時間。「6年間の思い出」というテーマで版画を作製しました。刷り上がった作品の中で、ふと目にとまった1枚がありました。普段からとても物静かな女の子、Aさんの作品でした。その版画には、高学年と低学年と思われる二人の児童が手を繋いで、廊下を歩いている後ろ姿が描かれていました。白黒で表され、顔の表情も見えませんが、温かな雰囲気を見る者に感じさせる作品でした。多くの6年生の児童が、「野外学習」や「修学旅行」といった行事を版画に表していたので、Aさんに「何の場面を描いたの」と聞いてみました。するとAさんは「秋まつりの様子です」と答えました。
 「秋まつり」とは、本校で行っている「なかよし班」という異年齢集団活動の中での一番大きな行事です。850人余の本校児童を56の班に分け、6年生の班長を中心に1年生から6年生までの班員が、協力して準備から当日まで活動します。二班毎に、「キックターゲット」や「もぐら叩き」、「目かくしツアー」や「おばけやしき」などの楽しいゲームを企画し、「秋まつり」当日は高学年の児童が低学年を連れて教室や体育館を回ります。どの児童も本当に楽しそうに過ごすことができる行事です。
 Aさんの版画を見た時に、異年齢集団活動の大切さと意義深さを改めて感じました。後日談になりますが、Aさんに「あの版画、大きい子が、Aさんだよね」と聞くと、「違います。私が1年生の時に6年生に優しく連れて行ってもらったところです」と言われました。Aさんの心の中の「なかよし班」で培われた「優しさ」が、6年間の思い出として描かれているのだなと思い、Aさんと一緒に思わず笑顔になりました。

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