【高浜市立吉浜小】伝統の継承で、はぐぐまれる心
- 公開日
- 2015/03/17
- 更新日
- 2015/03/17
ちょっといい話
吉浜小学校では、毎年2月に「吉浜っ子フェスティバル」を行っている。「フェスティバル」というと名前の通り「お祭り」とか「文化祭」のイメージをもたれる方が多いことだろう。児童が色々楽しそうなお店を考えて、お客である他学年の児童を楽しませる、というものである。しかし本校の「吉浜っ子フェスティバル」は、少し違う。一年間学習してきた「総合的学習の時間」での学びを発表するという、「学習発表会」の意味合いがあり、この点が重要である。この会の目的は「吉浜っ子フェスティバルを通して、他学年との交流を深める」「総合的な学習の時間で学んだことを伝えたり、知ったりする」「お店の活動を通して、友達と協力したり、相手の立場になって考えて行動したりする心を育成する」とある。2月13日金曜日の午前中、4・5・6年生の教室や体育館、図工室や多目的室を使いこの会は行われた。前半後半に分け、日頃から給食や音楽会の練習などで交流のあるペア学級の児童(高学年と低学年)が手をつないでお店を回るのである。6年生は「防災学習」のまとめとして、「6年1組避難でゴー」「防災アドベンチャー」「防災体験クイズ」「防災迷路Q」と名付けたお店で発表を行った。発表する相手は1年から6年まで、幅広い年齢層が対象である。クイズには、様々に難易度を変える工夫があった。5年生は「お米づくり」から学んだことを元に、ゲームや体験型の発表を行った。教室に残ってお客となる児童を迎える児童は、大きな声でお店を宣伝したりやり方を丁寧に説明したり、皆真剣な顔で自分の仕事を行っている。お客となる児童は年上のお兄さんお姉さんに手を引かれ、とてもうれしそうな笑顔である。本校では、学区の幼稚園や保育園の児童を招待している。今年は園の行事の関係で幼稚園児のみの参加であったが、まもなく迎える入学を前に、小学校を身近に感じてもらえるよい機会ともなった。異学年が交流することで「6年生になったら、こんな勉強をするんだな」と先の見通しをもったり、「去年は田植えをしたり、稲刈りをしたり、こんな勉強をしてたんだな」と自分をふり返ることもできる。ある学級のふり返りには「フェスティバルが思い出に残っています。みんなで協力してやり、楽しかった。今までにない、一番いいものができた」「準備は大変だったけど、みんなで協力してできたし、お客さんがたくさん来てくれてうれしかったです」「ペアの子と移動するのが楽しかった」などとある。こうして吉浜小学校の伝統は、ちゃんと次の学年に受け継がれている。