【春日井市立鳥居松小】 キャリア教育を通して心を育てる
- 公開日
- 2015/10/09
- 更新日
- 2015/10/09
心の教育推進活動(モラルBOX掲載用)
本校では、キャリア教育を推進するために全校で取り組んでいる。2年生は、校区探検のおりに施設や商店の方に仕事の工夫や努力について聞き取ることを学習している。また、6年生はグループごとに職場訪問を行って、実際の作業の様子や取り組んでいることを取材に出かけて発表をしている。
また、様々な業種の方に出前授業をしてもらっている。子どもの頃の様子や夢の実現に向けて努力したことや苦労したことの話を聞くことで、生き方について学び、自分の将来について考えるヒントなればよいと考えている。
今年は、これまでに4名をお迎えした。6月に隣の校区出身で全国的に活躍しているマジシャンに来ていただき、全校児童で鑑賞した。子どもの頃からマジックが好きで教室に通ったり、家で何時間も練習したりしたこと大学に進学したが夢をあきらめきれずプロになったことなどを語ってもらった。次々と繰り広げられるイリュージョンやマジックに子どもたちはとても感動し、喜びにあふれた姿から子どもの頃からの夢を実現する大切さを知ったようである。
6年生は地域の方から紹介してもらった能楽師を招いて話を聞いた。能の様々な決まりごとを教えてもらい、実際に舞や謡を体験した。幼少の頃から先生のもとに通って何時間も練習したこと、謡と舞をしっかり教えてもらった上で、囃子…笛・鼓・大鼓・太鼓の四つのうち最低三つは勉強してようやく能楽師になれることなど、その道の専門家になるには大変な年数がかかることを学んだ。
7月には、市図書館の紹介で、世界的大会で入賞し、世界で5本の指に入るほどの演奏技術をもったギタリストに来ていただいた。小学生の頃のこと、ギタリストを目指したきっかけ、世界大会目指して1日12時間以上の練習を何ヶ月も続けたことなどを超絶のテクニックを駆使した演奏を交えながら聞いた。特に1台のギターで4役をこなす演奏に子どもたちは驚いていた。
5年生は、10月に市内のホテルから料理長を招いて食育に関する授業をしていただいた。料理長にフルーツの入ったアイスクリームの作り方を教えてもらい、一緒につくる体験をした。その後、年齢とともに味覚が成長することを学んだ。キャリア教育についても、高校まで将来の希望もなく漫然と過ごしていたが、中学生のとき、手作りの弁当をクラスメートから褒めてもらった経験を思い起こし、料理の道を選んだことを話していただいた。
これから、多感な時期を迎える高学年にとって将来の自分の姿を考えると希望が見いだせないこともある。特に本校の児童は、アンケート結果から自尊感情が低い傾向にある。自分を信じられないと他者に対しても思いやりがもてないことが多い。自分の可能性を信じて努力することの大切さを、出前授業を通してその道のプロの姿やキャリアを積んだ人から学ばせたいと思う。
授業後、児童からは「能面を被ってみたら、とても暗くて前が見えなかった。子どもの頃から何年も師匠にいて修行を積んで覚えていくのは大変だと思った。」「自分もおとなになるまでに好きな道を選んで、努力をしてみたいと思った。」「どんな仕事でも人に喜んでもらえるようにがんばりたい。」などが発表され、地道に努力することの大切さを感じたことが分かった。